ザ・プリンス 京都宝ヶ池、オートグラフ コレクション|村野藤吾の円形建築に憩う、洛北の森のリゾート

ザ・プリンス 京都宝ヶ池、オートグラフ コレクション|村野藤吾の円形建築に憩う、洛北の森のリゾート

村野藤吾が最後に描いた円の中で、洛北の森と目覚める。

京都駅の地下ホームから、烏丸線の終点行きに乗って北へ。駅名がひとつ進むたびに、車内から観光の熱がすこしずつ抜けていきます。およそ20分で着く終点の国際会館駅。

地上に出た瞬間、目に飛び込んでくるのはビル群ではなく、比叡山をはじめとする洛北の山なみと、宝が池公園の深い緑です。その森のふちにゆるやかな円弧を描く建物——ザ・プリンス 京都宝ヶ池、オートグラフ コレクションは、建築家・村野藤吾が手掛けた最後の作品として1986年に生まれ、2026年10月9日に開業40周年を迎えるホテルです。

祇園や清水の賑わいから、地下鉄一本ぶんの距離。この洛北のリゾートが持つ魅力を、公式情報と滞在した人々の声をもとに、ひとつずつ紐解いていきます。

「離れている」という価値|地下鉄一本ぶんの、別の京都

ザ・プリンス 京都宝ヶ池 オートグラフ コレクションの客室。窓いっぱいに広がる鮮やかな紅葉を眺めながら、ふかふかのソファでくつろぐ非日常のひととき。
出典:公式サイトより

このホテルを選ぶ理由は、その立地の「離れ具合」にあります。観光の拠点である以上に、建築と庭と森に包まれて過ごす時間そのものが目的になる場所。名所を効率よく回るための宿ではなく、京都の別の速度に身を置くための宿です。

そのうえで、不便ではありません。地下鉄で乗り換えなしの20分、駅から徒歩3分。祇園にも清水にも出られるのに、帰ってくればそこは森。都市観光とリゾート滞在のいいところだけを両手に持てるのが、宝ヶ池という選択の本質です。

村野藤吾が最後に描いた円の建築と、香老舗が調えた香りの記憶

豊かな自然に囲まれたザ・プリンス 京都宝ヶ池 オートグラフ コレクションの外観。美しい曲線を描く建築と澄み渡る青空が、優雅な京都ステイの始まりを予感させます。
出典:公式サイトより

ザ・プリンス 京都宝ヶ池を語るとき、まず触れるべきは建物そのものです。設計は村野藤吾。日生劇場や広島の世界平和記念聖堂などで知られる巨匠の、これが遺作にあたります。

上空から見れば、建物は大きな円。中庭を囲むように客室が配され、廊下を歩けば、視界はつねに緩やかにカーブしながら先へと続いていきます。直線で構成されたシティホテルに慣れた目には、この曲線の連なりがどこか有機的で、森の中に置かれた建築というより、森から生えてきた建築のように映るはずです。館内では、客室、ロビー、レストランと、細部にまで宿る村野の意匠をコンシェルジュが案内してくれるサービスも用意されています。

ザ・プリンス 京都宝ヶ池 オートグラフ コレクションの日本庭園。水鏡に映り込む幻想的な紅葉のライトアップが、心奪われるロマンチックな夜を演出します。
出典:公式サイトより

このホテルの記憶に残るもうひとつの演出が、香りです。創業三百年を超える京都の香老舗・松栄堂と、約1年をかけて共同開発したオリジナルの香り「宝ヶ池」が、訪れる人を迎えます。

スティックタイプのお香は館内限定で販売されており、帰宅後もあの円形の空間の空気を呼び戻せる。旅の余韻の持ち帰り方として、これほど京都らしいものもありません。建築を目で味わい、庭を耳で聴き、香りで記憶する。五感のすべてが使われる滞在です。

プリンスとマリオットが重なる、オートグラフという看板

ザ・プリンス 京都宝ヶ池 オートグラフ コレクションの館内を彩るモダンなアート作品。窓の外の夜景と響き合う洗練された空間に、感性が研ぎ澄まされます。
出典:公式サイトより

2020年10月9日、それまでの「グランドプリンスホテル京都」は「ザ・プリンス 京都宝ヶ池」へとリブランドし、同時にマリオット・インターナショナルのオートグラフ コレクションに加盟しました。西日本では初の「ザ・プリンス」ブランドの誕生でもありました。

オートグラフ コレクションは、画一的なブランド基準に建物を合わせるのではなく、その土地とその建物にしかない個性そのものを看板にするホテルの集まりです。村野藤吾の円形建築と洛北の森という、世界のどこにも複製できない個性が、そのまま世界基準の資格になった——そう考えると、この加盟はとても自然な帰結に思えます。

森が近い緑の客室と、ウェルカムスイーツに迎えられるクラブフロア

ザ・プリンス 京都宝ヶ池 オートグラフ コレクションのベッドルーム。ライトアップされた紅葉を独り占めできる特等席で、心身ともに満たされる上質な夜を。
出典:公式サイトより

客室は全310室。スタンダードでも36.9平米以上というゆとりが、全室に確保されています。中庭を囲む円形の設計に沿って客室が並び、窓際には広めのリビングスペース。大きな窓の外に広がるのは、宝が池公園や比叡山の緑です。市中のホテルのように隣のビルと見つめ合うことはありません。

このホテルの美点は「どの部屋でも森が近い」ことにあります。カーテンを開けた瞬間の緑の量こそ、宝ヶ池に泊まる意味だからです。

ザ・プリンス 京都宝ヶ池 オートグラフ コレクションの広々としたスイートルーム。大きな窓から緑豊かな森の景色を絵画のように楽しむ、贅沢なリラックスタイム。
出典:公式サイトより

フロア構成は、森に近い低層のフォレストフロア、デラックスフロア、そして7・8階のクラブフロアへと重なっていきます。クラブフロアに滞在すれば、部屋にはウェルカムスイーツとスパークリングワインが用意され、冷蔵庫内のソフトドリンクは無料。クラブラウンジの利用と、ラウンジでの朝食も滞在に組み込まれます。

最上級は158.4平米のクラブグランドスイート。開業40周年を記念したプランの舞台にもなっている、このホテルの頂の空間です。高さを競う客室ではなく、森との距離と静けさで選ぶ——それがこのホテルらしい部屋の選び方です。

一日五幕でめぐるクラブラウンジと、その利用条件

幻想的な夜の庭園を望むザ・プリンス 京都宝ヶ池 オートグラフ コレクションのラウンジ。落ち着いた間接照明のなか、大切な人と語り合いたい特別な空間。
出典:公式サイトより

1階のクラブラウンジは、このホテルの滞在価値を語るうえで欠かせない場所です。38席のしつらえの向こう、窓の外に見えるのは、敷地内に建つ数寄屋造りの茶寮とその池泉鑑賞式庭園。ソファに沈み込みながら、日本庭園を眺めて過ごす時間がここにはあります。

ラウンジの一日は五幕で進みます。朝は和洋ブッフェの朝食に始まり、昼前のティータイム、スイーツやパンが並ぶ午後のアフタヌーンティー、オードブルとともにスパークリングワインや日本酒までが揃うカクテルタイム、そしてチーズと一杯で一日を閉じるナイトキャップへ。昼にいちどクローズを挟みながら、朝から夜まで表情を変え続けます。利用は45分制で、時間帯ごとにメニューが入れ替わる仕組みです。

利用できるのは、クラブフロア(7・8階)を予約した宿泊者、Seibu Prince Global Rewardsのダイヤモンドメンバーと同室の宿泊者、そしてMarriott Bonvoyのプラチナエリート以上(プラチナ・チタン・アンバサダー)の会員と同伴1名——という顔ぶれです(2026年7月時点)。ボンヴォイのエリート資格が真価を発揮するホテルとして、会員たちの間で語られてきた理由がここにあります。

お子さま連れの場合は、少し設計が要ります。朝食ブッフェにはMarriott Bonvoy会員限定の特典があり、1室につき13才未満のお子さま2名まで無料。一方で、カクテルタイム以降の夜の時間帯は中学生未満の利用ができません。朝はラウンジで家族の時間を、夜は大人の時間を——そんな使い分けを前提に組み立てるのがよさそうです。利用条件や提供内容は変更される場合があるため、滞在前に公式サイトで最新の案内をご確認ください。

庭の奥の数寄屋でいただく、会席と日本茶のアフタヌーンティー

ザ・プリンス 京都宝ヶ池 オートグラフ コレクションで味わう、和の趣を取り入れたフォトジェニックなアフタヌーンティー。美しい緑を背景に、心ときめくご褒美時間を。
出典:公式サイトより

ホテルの敷地内、日本庭園の中にぽつりと建つ数寄屋造りの「茶寮」。ここは村野藤吾の最晩年の建築と伝わる、いわばホテルの中のもうひとつの作品です。円形の本館がモダンの村野なら、茶寮は数寄屋の村野。ひとつの敷地でふたつの顔に出会えるホテルは、京都でもそう多くありません。

茶寮では、ホテルシェフによる季節の会席料理がいただけます。障子越しの光と庭の気配の中で進む食事は、レストランのそれとは時間の流れ方が違います。開業40周年の2026年には、この茶寮を一棟貸し切りで愉しむ1日2組限定の会席プランも登場しています。

近年の話題は、京都の老舗茶舗・福寿園とともにつくりあげた和のアフタヌーンティー「Eight-tea-Eight」です。玉露や抹茶、ほうじ茶といった多彩な日本茶をそれぞれの皿に合わせ、淹れ方から料理との相性まで考え抜かれた、五感で味わう京都のお茶時間。

ホテルのアフタヌーンティーが百花繚乱の京都にあって、数寄屋造りの離れでいただく日本茶のアフタヌーンティーという体験は、はっきりと輪郭の違う一択でしょう。提供内容や期間は変わるため、訪問前に公式サイトでご確認ください。

京モダンキュイジーヌから、英国調のバーの夜へ

ザ・プリンス 京都宝ヶ池 オートグラフ コレクションのダイニング。シックな大人の空間と窓の外に広がる夜の緑が、特別なディナータイムを美しく彩ります。
出典:公式サイトより

食の中心である「いと桜」は、店名の由来となった中庭の「いと桜」の木を望むレストランです。指揮を執るのは料理長・野口紗和子氏で、旬の食材と京都の地場素材に、グローバルな発想を重ねた京モダンキュイジーヌを展開しています。

ランチのプリフィックスから記念日のコース、和と洋のシェフが一皿の上で競演するディナーまで、シーンに合わせた振り幅の広さも魅力。窓の向こうの木が季節ごとに姿を変えるので、通うたびに違う景色と料理に出会えます。

2026年には、「桃園」の名を掲げるブッフェレストランが期間限定でオープンしました。焼き立てのホテルオリジナルパンや京都の地元野菜、自分好みに仕上げるハンバーガーなど、庭園を巡るように料理を選ぶ楽しさが主役の空間です。かしこまった食事とは別の、リゾートらしい軽やかな選択肢です。

一日の締めくくりには、英国調のインテリアに包まれたメインバー「アスコット」を。世界の銘酒を揃えた重厚な空間で、森の夜は静かに更けていきます。

里山の米が届く、和洋ブッフェの朝食

ザ・プリンス 京都宝ヶ池 オートグラフ コレクションの優雅な朝食。焼きたてのクロワッサンや色鮮やかなオムレツとともに、朝日を浴びながら迎える最高のモーニング。
出典:公式サイトより

朝食は、中庭に面したメインダイニング「いと桜」での和洋ブッフェです。2025年夏から現在のかたちになったもので、地元食材を織り込んだラインナップが並びます。京都市の里山・京北地域と連携したプロジェクトで育てられた「みやこめぐる米」が食卓にのぼる季節もあり、2026年秋の収穫後にも提供が予定されています。

一杯のごはんに、洛北よりさらに奥の京都が届く。ガラス越しに中庭の緑を眺めながらの朝食は、この森のホテルらしい一日の始め方です。

森を歩いて奥京都へ抜ける、洛北の起点

ザ・プリンス 京都宝ヶ池 オートグラフ コレクションの敷地内に広がる、ふかふかの苔の絨毯と優しい木漏れ日。静寂に包まれた緑の空間で、思わず深呼吸したくなるような癒やしのひとときを。
出典:公式サイトより

ホテルを一歩出れば、そこはもう宝が池公園です。池を周回する道を朝の光の中で歩けば、水面の向こうに比叡山。国立京都国際会館に隣接する立地でもあり、丹下健三のもとで学んだ大谷幸夫による名建築と村野建築が隣り合うこの一帯は、建築好きにとって密かな聖地でもあります。

ホテルには自転車の貸し出しがあり、洛北の散策の足に使えます。近隣の崇道神社と八大神社には、宿泊者だけがいただける特別な御朱印も用意されており、詳細はコンシェルジュが案内してくれます。そしてこの場所は、奥京都への入り口でもあります。

国際会館のバスターミナルからは大原や貴船・鞍馬方面へのバスが発着し、一乗寺の古刹や上賀茂神社へも軽やかに届く距離。三千院の苔庭も貴船の川音も、ここを起点にすれば「早朝に着く」ことができます。混雑を知らない京都は、洛北に泊まる人だけのものです。

旅の日程が決まったら|森のラウンジは、クラブフロアから押さえる

障子を開けると広がる、ザ・プリンス 京都宝ヶ池 オートグラフ コレクションの艶やかな秋の景色。磨き上げられた床に鮮やかな紅葉が映り込む、息をのむほど美しい日本の美を堪能して。
出典:公式サイトより

一日五幕のクラブラウンジを滞在の軸に据える。この宿を選ぶ理由がラウンジにあるなら、予約の起点はクラブフロアです。2026年は10月9日の開業40周年に向けて記念のステイプランや特別メニューが展開されているため、節目の年に訪れる巡り合わせを狙うのも一興。記念プランと紅葉の洛北から埋まっていきます。

宿と一緒に押さえておきたいのが、数寄屋の席です。茶寮の会席や一棟貸し切りプラン、日本茶のアフタヌーンティーは席数が限られるため、宿泊とあわせて早めの手配を。地下鉄一本で街へ出て、森へ帰ってくる旅程を組んでおけば、当日は円の建築に身を委ねるだけの京都になります。

もうひとつの入口が、Marriott Bonvoyです。マリオット・ボンヴォイ・アメックス・プレミアムは保有するだけでゴールドエリートになり、年間400万円の決済で毎年の無料宿泊特典、500万円以上でプラチナエリートへ。日々の決済をこの一泊にあてる設計図は、Marriott Bonvoy® マリオット・アメックス・カード特集で紐解いています。

予約は、楽天トラベル・一休・Yahoo!トラベルを横に並べて総額で見比べるのが確実です。同じ客室でも、掲載されるプランと総額が違ってくるためです。

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村野藤吾が最後に描いた円の建築は、京都でここにしかありません。庭を望むラウンジで一日を刻み、数寄屋で会席をいただく洛北を思い描いたなら、新幹線の予約と一緒に、この森の一室を一休で先に押さえてしまいましょう。

結び|円の中に、流れる時間

円という形には、始まりも終わりもありません。1986年に生まれ、名前を変えながらも40年間おなじ森に立ち続けてきたこのホテルには、京都の賑わいとは別の速度で流れてきた時間が満ちています。

村野藤吾が最後に描いた円の中で目覚め、庭を望むラウンジで一杯のお茶を飲み、数寄屋の離れで夜を迎える。翌朝は宝が池のほとりを歩いてから、大原へ。——そんな休日を思い浮かべたとき、次の京都で泊まるべき場所の答えは、もう見えているのではないでしょうか。

もっと深く知る

アクセス|ザ・プリンス 京都宝ヶ池、オートグラフ コレクション

京都駅から地下鉄烏丸線に乗り、終点の国際会館駅まで約20分。4-2出口から徒歩3分ほどで、森に囲まれたエントランスに到着します。京都駅の「プリンスホテルウエルカムカウンター」に荷物を預けて、手ぶらのまま観光へ向かえるサービスも心強い味方です。

お車の場合は、名神高速道路の京都東ICから35分前後、京都南ICから45分前後が目安。ホテルは国立京都国際会館に隣接しているため、国際会館の道路標識に従って進むと迷いにくいはずです。駐車場も備わっています。

基本情報|ザ・プリンス 京都宝ヶ池、オートグラフ コレクション

項目内容
名称ザ・プリンス 京都宝ヶ池、オートグラフ コレクション
所在地京都府京都市左京区岩倉幡枝町1092-2
開業1986年10月9日(2020年10月9日リブランド・オートグラフ コレクション加盟)
客室全310室(全室36.9平米以上・クラブフロア7・8階)
主な施設メインダイニング「いと桜」、桃園(期間限定)、メインバー「アスコット」、クラブラウンジ、数寄屋造りの茶寮、日本庭園
駐車場あり(有料)

※館内施設・客室・ダイニング等の情報は、ホテル公式サイトおよび公式発表に基づきます(2026年7月時点)。料金・営業時間・イベント開催日程は変更となる場合があるため、最新情報は公式サイトをご確認ください。

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