万平ホテル|1894年創業、軽井沢のクラシックホテル。アルプス館・愛宕館・碓氷館、どの館に泊まるかから紐解く「ホテルは人なり」の滞在

万平ホテル|1894年創業、軽井沢のクラシックホテル。アルプス館・愛宕館・碓氷館、どの館に泊まるかから紐解く「ホテルは人なり」の滞在

万平通りの緑のトンネルを抜けると、昭和11年のアルプス館が現れる。
軽井沢の歴史は、このロビーから始まっている。

旧軽井沢の森、桜の沢。万平通りと呼ばれる緑のトンネルを抜けると、木々の向こうに三角屋根の館が現れます。万平ホテルは、1894年創業、避暑地・軽井沢の歴史とともに歩んできたクラシックホテル。

1936年築のアルプス館は国の登録有形文化財で、ジョン・レノン一家が1977年から3シーズン、毎年夏を過ごした館でもあります。2024年、創業130周年の大改修を経て再び歩み始めた名門は、アルプス館、全室に天然温泉を引いた愛宕館、自然に包まれる碓氷館という趣の異なる三つの宿泊棟からなります。

「ホテルは人なり」——創業者・佐藤万平から受け継がれる言葉を掲げる一軒で、どの館に泊まり、どの食卓に着き、何を持ち帰るか。130年の物語を、公式情報と滞在した人々の声をもとに、ひとつずつ紐解いていきます。

「ホテルは人なり」という選び方|130年受け継がれる万平ホスピタリティ

扉を開けると赤い絨毯とアンティーク家具が非日常へと誘う万平ホテルのクラシカルなロビー
出典:公式サイトより

万平ホテルの物語は、1886年、旅籠「亀屋」にカナダ人宣教師アレキサンダー・クロフト・ショーと帝国大学の教師ディクソンがひと夏滞在したことから始まります。英語も西洋料理も知らなかった万平が、体当たりの親切でもてなした。その感動が、寂れていた宿場町・軽井沢を避暑地へと生まれ変わらせるきっかけになった、と公式の歴史は語ります。

だから、このホテルの価値は建物の古さではなく、「ホテルは人なり」という言葉のほうにあります。異国の地でも故郷のように寛いでほしいという初代の想いを、150年、200年先へ繋いでいく。130年の間に、田中角栄首相とキッシンジャー補佐官の会談の舞台になり、ジョン・レノンが夏を過ごし、財界人や文化人を迎え続けてきたのは、この精神があってこそです。

軽井沢の新しいラグジュアリーが次々に開業するなかで、「軽井沢そのものに泊まる」という選択は、この一軒にしかできません。

旧軽井沢・桜の沢|1902年から、この森に

軽井沢の瑞々しい新緑に囲まれて佇む万平ホテルの憧れのクラシックな外観
出典:公式サイトより

ホテルが立つのは、長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢925。1902年に旧軽井沢銀座通りの郵便局あたりから移転してきた、桜の沢の森です。旧軽井沢銀座通りまでは車で3分、徒歩で10分。堀辰雄の小説にも登場する聖パウロ教会へ徒歩13分、ショー宣教師が建てた軽井沢最古のショー記念礼拝堂へ徒歩14分と、避暑地の歴史の中心に歩いて出られます。

館内に入ると、温かみのある木と照明がクラシカルな重厚感を醸すロビー。ステンドグラスやアートからホテルの歴史を感じ、まるで時が止まったような感覚に、と公式は語ります。フロント横の階段を上がると、ホテルのシンボルのひとつである亀のステンドグラスから光が差し込みます。アルプス館を出て敷地を歩けば、小鳥の声と木の葉の音に包まれる中庭。ソファで読書をする時間のために、ここは設計されています。

軽井沢駅南口からは、宿泊者向けの無料送迎バスが予約制で運行されています(利用日の1か月前から予約可)。駐車場は2026年7月から有料化されていますので、車の方は公式のお知らせでご確認ください。

どの館に泊まるのがいい?|アルプス館・愛宕館・碓氷館、三つの宿泊棟の選び方

障子から漏れる柔らかな光と赤いソファが写真映えする万平ホテルの和モダンな客室
出典:公式サイトより

万平ホテルの予約でいちばん迷うのが「どの館か」です。三つの館は、施設の優劣ではなく、旅のかたちで選ぶものだと考えてください。まずアルプス館。「日光金谷ホテル」や「富士ビューホテル」を手掛けた久米権九郎の設計で1936年に完成した、ホテルの象徴です。昭和11年の建築時から多くの賓客に愛されてきた客室は、ホテルを象徴する「和洋折衷」のインテリアを受け継ぎ、万平ホテルの歴史そのものに浸る滞在になります。2026年は「アルプス館90周年」の記念企画も公式が案内しています。

窓いっぱいに広がる軽井沢の森を眺めながら心静かに過ごせる万平ホテルの洗練された客室
出典:公式サイトより

愛宕館は、新たに生まれ変わった「クラシカルモダン」の館。ホテルの歴史を想いつつ、新しい軽井沢の風を豊かな緑とともに感じられ、全客室の内風呂に天然温泉の湯を設えています。万平で温泉に浸かりたいなら、選ぶ館はここです。碓氷館は2001年新築の「軽井沢の自然が織りなすエレガンス」。四季を取り入れ、木々や花々の息吹を感じる窓と、アースカラーの上品な空間で、喧噪を忘れて過ごせます。碓氷館のスタンダードテラス付きの客室のうち3室はアクセシブルルームで、全館エレベーター完備、車いすでも利用できます。

歴史に泊まるならアルプス館、温泉ならば愛宕館、自然と静けさなら碓氷館。ホテルの敷地内マップを公式が公開していますので、配棟を確かめてから選んでみてください。

客室|和洋折衷のクラシックから、温泉付きのクラシカルモダンへ

和の趣を感じる建具とモダンな寝室が心地よいおこもり時間を叶える万平ホテルのゲストルーム
出典:公式サイトより

客室は館ごとに性格が異なります。アルプス館は「歴史感じるザ・クラシック」。和洋折衷のインテリアと、90年前の建築の面影が残る窓辺で、軽井沢時間が流れます。愛宕館は「万平ホテルのDNAを引き継ぐクラシカルモダン」。万平スイートをはじめ、全室の内風呂に天然温泉。碓氷館は「軽井沢の自然が織りなすエレガンス」。テラス付きの客室やスイートから、木々と花々を眺めます。

上質なベッドと落ち着いたインテリアで日々の疲れをゆったりと癒やしてくれる万平ホテルのツインルーム
出典:公式サイトより

宿泊サービスも名門らしい厚みです。17時から20時頃のターンダウン、7時から21時まで三つの時間帯で使えるルームサービス、記念日のケーキや花束を手配するアニバーサリーサービス。客室のカテゴリー、面積、定員は館ごとに公式サイトで見比べてみてください。

メインダイニングルームのフランス料理と、総檜造りの「檜」

美しいステンドグラスと重厚な空間で特別なディナーを味わいたい万平ホテルのメインダイニング
出典:公式サイトより

食の舞台は、古き良き時代の社交場の面影を残す「メインダイニングルーム」です。温かく気品のあるクラシックの重厚感ある空間で、伝統を大切に受け継ぎながらも進化し続けるフランス料理を。営業はランチが11時30分から14時30分、ディナーが17時30分から21時。「万平の宝物のような記憶のひと皿を、時を超え、当時と変わることのない空間で」という公式の言葉は、この部屋のためにあります。

もうひとつの食卓が「檜」。歴史ある総檜造りの空間で、文化人が集った軽井沢のサロン文化を感じながら、信州の恵みを活かした鉄板焼きとすき焼きを。1919年に二代目万平が移設増築した日本館の系譜を引く、近代化産業遺産の空間です。ランチもディナーも予約制。

夜は、重厚感と特別感の漂うオーセンティックな「バー」で、名物のカクテルを。18時から23時、時間を忘れて語らう夜が待っています。食物アレルギーへの対応は、事前予約時と注文時に係員が伺うと公式が案内しています。

カフェテラスの名物と、アップルパイ|予約なし、順番待ちの午後

伝統のアップルパイと香り高い紅茶で優雅なご褒美タイムを過ごす万平ホテルのカフェ
出典:公式サイトより

万平ホテルを語るうえで欠かせないのが「カフェテラス」です。軽井沢の緑に包まれた開放感あふれる空間で、ホテルの歴史に想いを馳せながら、長きにわたって愛されてきたカフェメニューを。営業は9時30分から18時、席の予約は受け付けておらず、公式のLINEから順番待ちの受付ができます。

伝統のアップルパイをはじめ、名物のロイヤルミルクティー、ホテルの記憶を映す甘いもの。泊まらない日にも旧軽井沢の散策の途中に立ち寄れる場所として、このカフェは万平ホテルの入口そのものになっています。メニューの内容と料金、混雑の傾向、順番待ちの攻略については、いずれ稿を改めて、一本の記事としてじっくり紐解く予定です。

ショップとオンラインショップ|クッキー缶とフルーツケーキを、手土産に

旅の思い出に心ときめくオリジナルギフトを選びたい万平ホテルのシックなショップ
出典:公式サイトより

アルプス館1階のショップには、伝統のフルーツケーキをはじめ、アップルパイ、ジャムといったオリジナル商品が並びます。営業は8時から20時。軽井沢の思い出の品として、大切な方へのギフトとして、ホテル内ショップ限定商品やベーカリー商品も揃うと公式が案内しています。

オンラインショップでは、季節ごとのクッキー缶や、ドイツの織物ブランド・フェイラーとのコラボレーションアイテムも登場します。2026年秋にはハロウィンのクッキー缶が新発売され、「レトロすずらん」のバッグが公式トップに掲げられています。滞在の余韻を、缶ひとつで持ち帰る。それもこの宿らしい記憶の残し方です。商品は時期により替わりますので、最新のラインナップは公式サイトとオンラインショップでご確認ください。

クラシックホテルの朝食|メインダイニングルームで、7時から

大きな窓から降り注ぐ木漏れ日の中で爽やかな食事を楽しみたい万平ホテルのダイニング
出典:公式サイトより

朝の舞台は、メインダイニングルームです。営業は7時から10時(ラストオーダー9時30分)。古き良き社交場の面影を残す空間で、木々の緑を眺めながらいただく朝食は、この宿の滞在のハイライトのひとつ。提供内容は時期により変わりますので、公式サイトでご確認ください。

部屋で迎えたい朝には、7時から10時のルームサービスの朝食を。愛宕館なら、天然温泉の内風呂に浸かってから、浴衣のまま朝の食卓へ、という組み立てもできます。朝を大切にしたい方は、宿泊予約の際に朝食付きプランを検討してみてください。

過ごし方|名門の作法と、ハレの日の館としての顔

レトロで美しいステンドグラスに心奪われながら特別なディナータイムを過ごす万平ホテルのレストラン
出典:公式サイトより

万平ホテルは、軽井沢の教会と森に囲まれた、クラシックホテルの結婚式場でもあります。週末にはウエディングや宴会、会議で館内が華やぐ日があり、カフェテラスは順番待ちの列ができます。静けさを求める時間帯は、中庭のソファか、客室か、碓氷館の森側へ。

そして、名門らしい過ごし方をひとつ。宿泊者向けには、軽井沢を知り尽くした俥夫と旧軽井沢銀座通りや主な観光地を巡る人力車プランと、要望に合わせてコースを組める観光タクシーが用意されています。旧三笠ホテル、雲場池、熊野皇大神社の見晴台、軽井沢タリアセン。公式の観光マップを片手に、130年前にショー宣教師が愛した軽井沢を歩いてみてください。

旅の日程が決まったら|館と季節を決めて、送迎バスの予約を

窓いっぱいの豊かな緑と温かみのあるソファが非日常のくつろぎを約束してくれる万平ホテルの客室
出典:公式サイトより

軽井沢のクラシックホテルに泊まる滞在を選ぶなら、予約の起点は「館」です。歴史に浸るならアルプス館、温泉なら愛宕館、自然と静けさなら碓氷館。桜と紅葉の季節、そして夏の避暑シーズンは、アルプス館から先に埋まっていきます。狙う館があるなら、日程が決まった時点で指定してください。

実務としてひとつ。メインダイニングルームと檜の席は宿泊とは別枠の予約で、カフェテラスは予約なしの順番待ちです。軽井沢駅南口からの無料送迎バスは予約制で、利用日の1か月前から受け付け。記念日のケーキや花束のアニバーサリーサービスも、どこで宿泊を予約しても、ホテルへ直接、早めに相談しておくのが安心です。駐車場は有料化されていますので、車の方は公式のお知らせを。

予約は、楽天トラベル・一休・Yahoo!トラベルを横に並べて総額で見比べるのが確実です。同じ客室でも、掲載されるプランと総額が違ってくるためです。

  • 楽天トラベルは楽天ポイントを貯めて使える
  • 一休は上質な宿に絞った掲載とタイムセール(編集部おすすめ)
  • Yahoo!トラベルはPayPayとの連携が持ち味

軽井沢の名門は、夏の避暑と紅葉の秋から静かに埋まっていきます。亀のステンドグラスの光と、メインダイニングルームの朝を思い描いたなら、北陸新幹線の予約と一緒に、この桜の沢の一室を一休で先に押さえてしまいましょう。

結び|130年の森で、時が止まる

クラシカルな家具と和の趣が交差する大人の空間で美食ディナーを堪能する万平ホテルの鉄板焼きカウンター
出典:公式サイトより

万平通りの緑のトンネル、亀のステンドグラス、和洋折衷の客室、カフェテラスの午後。万平ホテルの滞在は、軽井沢という避暑地の歴史そのものに泊まる体験です。

「ホテルは人なり」。130年受け継がれてきた言葉が、今日もロビーの空気の中にあります。遠くへ行くことではなく、時の流れに身をあずけること。次の軽井沢の答えは、もう見えているのではないでしょうか。

もっと深く知る

アクセス|万平ホテル

万平ホテルは、長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢925、旧軽井沢の桜の沢に位置します。東京駅から北陸新幹線でJR軽井沢駅までおよそ70分。軽井沢駅南口のタクシー乗り場付近から、宿泊者向けの無料送迎バスが予約制で運行されています(利用日の1か月前から予約可)。タクシーでも数分の距離です。旧軽井沢銀座通りへは徒歩10分。

車の場合、駐車場は2026年7月から有料化されています。料金と台数、送迎バスの運行時刻は変わることがあるため、お出かけ前に公式サイトのアクセス案内とお知らせをご確認ください。

基本情報|万平ホテル

項目内容
名称万平ホテル(Mampei Hotel)
所在地長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢925
創業1894年(旅籠「亀屋」は1764年開業。桜の沢へは1902年移転)
宿泊棟アルプス館(1936年築・久米権九郎設計・登録有形文化財・近代化産業遺産)、愛宕館(クラシカルモダン・全室内風呂に天然温泉)、碓氷館(2001年新築・アクセシブルルーム3室)
ダイニングメインダイニングルーム(フランス料理・朝食7:00〜10:00/ランチ11:30〜14:30/ディナー17:30〜21:00)、檜(鉄板焼き・すき焼き・総檜造り・近代化産業遺産)、カフェテラス(9:30〜18:00・予約不可)、バー(18:00〜23:00)、ルームサービス
ショップアルプス館1階(8:00〜20:00)、オンラインショップ
送迎軽井沢駅南口⇔ホテルの無料送迎バス(予約制・1か月前から)
駐車場有料(2026年7月〜)
館内ロビー(亀のステンドグラス)、中庭、美容室(夏季のみ)、ウエディング・宴会・会議施設
歴史ジョン・レノン一家滞在(1977〜1979年・アルプス館)、田中角栄首相・キッシンジャー補佐官会談(1972年)、2024年創業130周年大改修

※館内施設・客室・ダイニング等の情報は、ホテル公式サイトおよび公式発表に基づきます(2026年9月時点)。料金・営業時間・送迎バスの運行・駐車場の条件・カフェテラスの提供内容は変更となる場合があるため、最新情報は公式サイトをご確認ください。

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