鼓門を背にして歩いて三分。駅前に、加賀屋の心を継ぐ小さな料理旅館がある。
JR金沢駅の兼六園口から歩いて3分、ホテルの立ち並ぶ本町の通りに、格子と暖簾の旅館が静かに建っています。料理旅館 金沢茶屋は、駅にもっとも近い料理旅館。2008年11月に和倉温泉の加賀屋グループに加わり、新装オープンした全18室の宿です。
駅前の便利さを手放さずに、旅館の夜を過ごす。1階の割烹で夕餉をとり、漆塗りの檜風呂につかり、畳の部屋で眠る。——そんな滞在を叶えてくれる一軒を、公式情報と滞在した人々の声をもとに、ひとつずつ紐解いていきます。
駅の便利さを手放さずに、旅館の夜を過ごすという選択

金沢で旅館に泊まりたいと思うと、多くの人は温泉地を思い浮かべ、駅前のホテルとの二択で悩みます。旅館の夕餉とおもてなしが欲しい。けれど、新幹線の時間に振り回されたくない。
金沢茶屋はその二択を、駅から3分の場所で解いてしまいます。ホテルではなく旅館であること、料理を中心に据えた宿であること、そして駅に近いこと。公式は「味・心・寛・技・遊」の五つの流儀を掲げ、料理とおもてなし、純和風の客室、輪島塗をはじめとする伝統工芸、アクセスの良さを一軒に束ねています。
なお、名前から茶屋街の宿を想像する方もいますが、ひがし茶屋街ではなく金沢駅前の宿です。茶屋街へはバスや車で向かう距離になります。
和倉温泉の加賀屋から、駅前の十八室へ受け継がれたもの

館名に「加賀屋グループ」と添えられているのは、日本一の旅館と呼ばれてきた和倉温泉の加賀屋の系譜にある宿だからです。2008年に加賀屋グループへ加わり、真心のこもった「おもてなし」を受け継いだと公式は書いています。
滞在した人々の声には、部屋へ案内されたあとに抹茶と和菓子でもてなされたという場面が繰り返し登場します。大きな旅館が持つ儀式を、18室の規模で行き届かせること。それがこの一軒の心の部分です。
館内を彩るのは輪島塗をはじめとする伝統工芸品。駅前の建物の中に、能登と加賀の手仕事が息づいています。
純和風の本館か、和と洋を重ねた別館か

客室は、8〜12.5畳の純和風の和室を揃えた本館と、西洋と東洋を融合させた上品な設えの別館の二系統です。本館は格子や畳の文化を大切にした、古き良き金沢の「和」の部屋。畳に足を伸ばし、障子越しの光で朝を迎える旅館らしい夜が待っています。

別館は、和の趣に洋の心地よさを重ねた部屋で、ベッドで眠りたい人や、椅子とテーブルのある空間で寛ぎたい人に向きます。滞在した人々の声には、ちょうどよい広さと大きなテーブルを喜ぶ感想があります。
全館禁煙で、喫煙は所定のスペースへ。18室という規模は、どの部屋にいても館の目が届く距離感でもあります。

漆塗りの古代檜風呂と、小庭園を眺める風呂で

大浴場は二種類。うるし塗りの古代檜風呂と、小さな庭園を眺める風呂です。樹齢を重ねた檜の湯船に漆を施した浴槽は、木の香りと漆の艶が同居する、この宿ならではの湯です。温泉ではなく沸かし湯ですが、檜と庭の景色が湯の時間を旅館のものにします。

夕餉の前にひと風呂、朝は早い時間から。旅館の一日は、湯の時間で区切られていきます。駅前のホテルではなかなか持てない、湯上がりに浴衣のまま部屋へ戻る時間がここにはあります。
一階の割烹つづみで、加賀屋の味を継ぐ創作割烹の夕餉

この宿を料理旅館たらしめているのが、1階の「割烹つづみ」です。加賀屋のおもてなしを引き継ぎ、四季の素材にこだわった創作割烹料理を一品ずつ仕立てる店で、宿泊者の夕餉もここで供されます。
1階はカウンター8席とテーブル席、2階には割烹の個室と宴会場。夕会席は全11品を軸に、うなぎの会席や、能登の食材を主役にしたステーキ会席のペアリングディナーが季節ごとに組まれます。滞在した人々の声には、すっぽんの茶碗蒸しや魚料理の見事さ、能登の食材へのこだわりが並びます。
割烹は宿泊者でなくても昼と夜に利用でき、三段弁当や昼会席、数量限定ののど黒御膳など昼のメニューも揃います。顔合わせや結納、法要の場としても使われる店で、記念日の食事だけを目当てに訪れる人も少なくありません。夕食の内容とコースは季節で変わるため、予約時に確認を。
朝は、心のこもった一皿から始まる

料理旅館の朝は、夕餉の余韻の続きです。滞在した人々の声には、ほたるいかの干物や野菜の蒸し物といった、手の込んだ朝の料理に感激したという感想が並びます。宿が力を注ぐのは夜だけではありません。
朝の風呂に入ってから朝食へ向かい、浴衣を脱いで駅へ歩く。チェックアウトは午前10時と早めなので、朝の時間は湯と食事に集中して使うのが、この宿らしい過ごし方です。朝食の会場と提供内容は公式サイトでご確認のうえ、宿泊予約の際に朝食付きのプランを検討してみてください。
十八室の料理旅館と、上手に付き合う

チェックアウトは10時。ホテルの正午とは違う旅館の時間割なので、朝の予定は早めに組んでおくと慌てません。駐車場は有料で、2024年6月から1台1泊の料金が設定されています。全館禁煙で、金沢市の宿泊税は現地払いです。
旅館ですから、夕餉の時間に合わせて館へ戻る一日になります。観光に出ずっぱりで夜遅くに戻る旅よりも、夕方には駅前へ帰ってくる旅に向いた宿です。
そのぶん、駅に近いという安心感は代えがたいものがあります。翌朝の新幹線が早くても、雨の日でも、歩いて3分。旅館の夜と駅前の朝を、同じ鍵で手にできます。
旅の日程が決まったら|夕餉の席から、逆算する

この一軒を選ぶ理由が「駅前で旅館の夜を過ごす」ことなら、予約で決めるべきは日付よりも夕食のかたちです。素泊まり、朝食付き、2食付き。割烹つづみの夕餉を組み込むかどうかで、この宿の意味が変わります。
実務として、本館の和室と別館の洋室は性格が異なるため、予約時にどちらを希望するかを伝えておきましょう。季節の会席やペアリングディナーは席数が限られ、完全予約制のものもあります。車の旅は有料駐車場の条件を確認しておくと安心です。
予約は、楽天トラベル・一休・Yahoo!トラベルを横に並べて総額で見比べるのが確実です。同じ客室でも、掲載されるプランと総額が違ってくるためです。
- 楽天トラベルは楽天ポイントを貯めて使える
- 一休は上質な宿に絞った掲載とタイムセール
- Yahoo!トラベルはPayPayとの連携が持ち味(編集部おすすめ)
全18室の宿は、埋まるときは一晩で埋まります。蟹の季節と、兼六園の桜と紅葉の週末は特に。駅前で浴衣に着替える夜を思い描いたなら、新幹線の予約と一緒に、この料理旅館の一室をYahoo!トラベルで先に押さえてしまいましょう。

結び|旅館の夜を、駅前で
料理旅館 金沢茶屋は、金沢の旅に旅館の夜を足すための宿です。鼓門から歩いて3分の暖簾をくぐり、抹茶でもてなされ、割烹の夕餉をとり、漆塗りの檜風呂につかる。翌朝は浴衣を脱いで、そのまま駅へ。
温泉地まで足を伸ばさなくても、旅館の時間は駅前で手に入ります。18室の小さな宿に、加賀屋の心と輪島の漆が息づいていること。遠くへ行くことではなく、深く休むこと。答えはもう見えているのではないでしょうか。
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アクセス|料理旅館 金沢茶屋
JR金沢駅兼六園口(東口)から徒歩約3分。駅前の交差点をまっすぐ進み、ホテルの並ぶ本町の通り沿いにあります。金沢駅もてなしドームから地下へ降り、ポルテ金沢の地下1階から地上へ出る経路でも歩けます。車の場合は北陸自動車道の金沢西ICから約15分。駐車場は有料で、宿泊者用の駐車料金が1台1泊で設定されています。
基本情報|料理旅館 金沢茶屋
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 料理旅館 金沢茶屋(加賀屋グループ) |
| 所在地 | 〒920-0853 石川県金沢市本町2-17-21 |
| 電話 | 0120-378-223 |
| 客室 | 全18室。本館=純和風の和室(8〜12.5畳)/別館=和と洋を融合した客室 |
| チェックイン/アウト | 15:00/10:00(プランにより異なる) |
| 大浴場 | 漆塗り古代檜風呂/小庭園の見える風呂(温泉ではない) |
| 食事 | 1階「割烹つづみ」(昼11:30〜14:30/夜17:00〜22:00・不定休・カウンター8席・個室あり)。宿泊者以外も利用可 |
| 駐車場 | あり・有料(2024年6月より1台1泊の料金設定) |
| 全館禁煙 | 喫煙スペースあり |
| グループ入り | 2008年11月に加賀屋グループへ加わり新装オープン |
※館内施設・客室・ダイニング等の情報は、旅館公式サイトおよび公式発表、公的観光サイトの掲載に基づきます(2026年9月時点)。料金・営業時間・コース内容は変更となる場合があるため、最新情報は公式サイトをご確認ください。金沢市の宿泊税が別途、現地払いでかかります。


