二寧坂の石畳から一歩。東山に招かれた、70室だけの邸宅。
観光客で賑わう二寧坂の石畳を、清水寺へ向かって歩き始めてすぐ。日本瓦の屋根が連なる町並みに、ごく自然に溶け込んだ低層の建物があります。看板は控えめで、うっかりすると通り過ぎてしまうほど。
京都市最大の重要伝統的建造物群保存地区の只中に佇むそれが、パーク ハイアット 京都です。2019年10月開業、パーク ハイアットとしては東京から実に25年ぶり、日本で2軒目となるこのホテルが選んだのは、高台寺に隣接する東山の丘の中腹でした。
掲げるコンセプトは「ラグジュアリーゲストハウス」。全70室という規模、庭と家屋が一体となる「庭屋一如」の造り、そして窓の先に広がる八坂の塔と京都市街の眺め。——この振り幅の妙を、公式情報と滞在した人々の声をもとに、ひとつずつ紐解いていきます。
賑わいと静寂、その境界線の上に

このホテルのすべては、立地の一点に集約されます。一歩外に出ればあの二寧坂の喧騒、一歩中に入れば驚くほどの静寂。日中は誰よりも観光の中心に近く、朝と夜は誰よりも静かな東山を知っている——その振り幅を手にできる場所は、京都でもここだけです。
ミシュランガイドが「丘の中腹の村のように広がる」と評した通り、ここは巨大なホテルではなく、東山に招かれた邸宅です。窓の外の八坂の塔が夕日に染まり、やがて夜の闇にライトアップが浮かぶ。その移ろいを部屋から眺める時間こそ、このホテルを選ぶ理由になります。
明治十年創業の料亭と敷地を分かち合う、他にない成り立ち

このホテルの物語は、敷地を分かち合う老舗料亭「山荘 京大和」抜きには語れません。1877(明治10)年創業、京都の料亭文化を受け継ぐ名店で、敷地内には京都市指定の保護建造物である建物群が残ります。幕末には桂小五郎ら各藩の志士がこの地の広間・翠紅館に集い、時代を動かす会合を重ねたという歴史の舞台でもあります。
パーク ハイアット 京都は、この料亭の敷地内に、伝統との共存を掲げて誕生しました。庭園の中には江戸時代から続く茶室が佇み、ミシュラン2つ星を獲得した京大和の懐石を、ホテル滞在と地続きで味わえる。世界のラグジュアリーブランドと京都の料亭が本気で組んだ、他に類を見ない成り立ちです。
窓いっぱいの八坂の塔と暮らす客室と、象徴の「二寧坂ハウス」

客室は、共用部から日本庭園を抜けた先の静かな棟に集まっています。芳しいタモ材のしつらえ、緩やかな勾配天井、そして横幅いっぱいに取られた大開口の窓。その先に、瓦屋根の連なりと八坂の塔、夕暮れには西山に沈む夕日が広がります。ビュータイプの客室が誇るこの眺めは、京都中を探してもここでしか手に入りません。
9室あるスイートの中でも「二寧坂ハウス」は、独立したリビングとベッドルームの両方から八坂の塔を正面に望む、このホテルの象徴です。目覚めたときも、くつろいでいるときも、視界のどこかに必ず塔がある——そんな部屋は世界にひとつしかありません。

坪庭に面したガーデンテラスタイプは、燈籠と石組の小さな庭を独り占めするプライベートな趣。眺望を選ぶか、庭の静けさを選ぶか。同じホテルの中に、まったく違う京都との向き合い方が用意されています。
バスアメニティはLe Laboの「SANTAL 33」。細部まで、大人の審美眼に応える設えです。記念日や特別な旅なら、この一室から日程を決める価値があります。

静寂のウエルネスで、歩き疲れをほどく

館内にはスパを含むウエルネスセンターが備わり、京都の湯の文化に着想を得たトリートメントで、歩き疲れた身体をほどいてくれます。東山の石畳と坂道を歩き通した一日の終わりに、この回復の時間があるかどうかで、翌朝の身体は驚くほど変わります。
観光の予定を詰め込むより、午後をまるごとスパと部屋の眺めに充てる日をつくる。70室の静けさに包まれたこのホテルでは、そんな贅沢な使い方こそが似合います。
早朝の二寧坂は、泊まった人だけのもの
このホテルに泊まる人だけの特権が、早朝の東山です。まだ観光客のいない二寧坂の石畳を歩き、産寧坂を上って清水寺へ。凛とした朝の空気の中、京都でもっとも絵になる道を独り占めして参拝し、朝食に戻ってくる——この過ごし方のために泊まる価値がある、と言い切ってよい立地です。
同じことは夜にも言えます。日が落ちて土産物店が閉まったあと、ライトアップされた八坂の塔のほとりを歩く時間。日中の写真では絶対に写らない京都が、宿泊者の前だけに現れます。
京都随一と評判の、庭園に包まれたアフタヌーンティー

このホテルの検索需要でひときわ大きいのが、アフタヌーンティーです。舞台はラウンジ「ザ リビングルーム」。庭園と東山の気配に包まれた空間で、季節ごとに趣向を変えるティースタンドと向き合う午後は、京都のホテルアフタヌーンティーの中でも指折りの人気を誇ります。
滞在者はもちろん、東山散策と組み合わせて訪れる利用者も多く、予約は早めが鉄則。清水寺や高台寺を歩いたあと、この静けさに腰を下ろす瞬間の落差こそが、何よりのごちそうです。
塔を望むグリルの劇場から、夜景のバーへ

夜の主役は、その名も「八坂」。八坂の塔を望むシグネチャーレストランで、旬の最高級食材をグリルで仕上げる、劇場のようなダイニングです。窓の外に塔のシルエットが浮かび、眼下に京都の街の灯りが広がる時間は、このホテルの立地の価値をまっすぐに体感させてくれます。
食後は同じ眺めを持つバー「琥珀」へ。国産ウイスキーや日本酒、ジンに旬の素材を重ねた、京都の伝統に着想を得たカクテルが待っています。職人の手によるヴェセルに注がれる一杯を、夜景とともに。ここまでが、このホテルのディナーコースです。
焼きたてのブッフェか料亭の和朝食か、選べる朝

朝は、二寧坂に面したKYOTO BISTROが自家製にこだわった朝食ブッフェの舞台になります。活気あるオープンキッチンから届く焼きたてを、目覚めたばかりの東山の光の中で。
もうひとつの選択肢が、ルームサービスでいただく京大和の和朝食です。庭の気配とともに、部屋の大開口の窓の向こうに八坂の塔を眺めながら、料亭仕込みの膳と向き合う朝。どちらを選ぶかで、その日の京都の始まり方が変わります。
散策の途中に立ち寄れる、二寧坂に開かれたビストロ

対照的に、二寧坂の人通りに面して開かれているのがKYOTO BISTROです。活気あるオープンキッチンから届く「美味しくて早い」京都らしい料理は、散策の途中に立ち寄れるカジュアルさが身上。宿泊者以外の利用がしやすいのもこの店で、ランチや季節のデザート目当てに訪れる価値があります。
格式とカジュアル、その両方の入口を持っているのが、このホテルの食の懐の深さです。かしこまった夜も、気軽な昼も、同じ敷地の中で選べます。
旅の日程が決まったら|塔を望む部屋は、選べる日から埋まる

窓の外に八坂の塔がある部屋で目覚める。この宿を選ぶ理由が眺めにあるなら、予約の起点は部屋のタイプです。ビュータイプと、リビングとベッドルームの両方から塔を望む「二寧坂ハウス」は数が限られ、全70室・スイート9室の邸宅は、桜と紅葉の東山から一年でいちばん早く埋まります。
宿と一緒に押さえておきたいのが、庭園の席です。アフタヌーンティーとレストラン「八坂」は宿泊者以外にも人気の会場のため、客室と同時に席の確保を。山荘 京大和の懐石を組み込むなら、予約時に相談しておくと旅程が組みやすくなります。
予約は、楽天トラベル・一休・Yahoo!トラベルを横に並べて総額で見比べるのが確実です。同じ客室でも、掲載されるプランと総額が違ってくるためです。
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二寧坂の喧騒と庭園の静寂、その境界線に建つ邸宅は、それだけ早く埋まる70室でもあります。早朝の石畳を独り占めし、夕日に染まる塔を部屋から眺める京都を思い描いたなら、新幹線の予約と一緒に、この東山の一室を一休で先に押さえてしまいましょう。

結び|賑わいの一歩先にある、東山の静寂
二寧坂の喧騒と、庭園の静寂。その境界線の上に建っていることが、パーク ハイアット 京都のすべてです。日中は誰よりも観光の中心に近く、朝と夜は誰よりも静かな東山を知っている。
窓の外の八坂の塔が夕日に染まり、やがて夜の闇にライトアップが浮かぶ。その移ろいを部屋から眺める時間は、京都という街への最上の招待状です。東山の真ん中に自分の家を持つような滞在を望むなら、答えはもう見えているのではないでしょうか。
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アクセス|パーク ハイアット 京都
京都駅からタクシーで15分ほど、京阪本線「祇園四条」駅からは徒歩12分ほどの道のりです。市バスなら「東山安井」停留所から徒歩6分ほど。高台寺に隣接し、二寧坂・産寧坂を経て清水寺へ、北へ歩けば八坂神社や祇園へと、東山観光の核心部すべてが徒歩圏という比類ない立地です。
基本情報|パーク ハイアット 京都
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | パーク ハイアット 京都 |
| 所在地 | 京都府京都市東山区高台寺桝屋町360 |
| 開業日 | 2019年10月30日 |
| 客室数 | 全70室(うちスイート9室) |
| 主な施設 | シグネチャーレストラン「八坂」、バー「琥珀」、KYOTO BISTRO、ラウンジ「ザ リビングルーム」、料亭「山荘 京大和」(共生)、スパ・ウエルネスセンター、宴会場 |
※館内施設・客室・ダイニング等の情報は、ホテル公式サイトおよび公式発表に基づきます(2026年7月時点)。料金・営業時間・提供内容は変更となる場合があるため、最新情報は公式サイトをご確認ください。










