湖のほとりで、財布も時計も手放す休日。
東京から新幹線で約1時間30分、名古屋からなら約35分でJR浜松駅へ。舞阪駅で降りれば、無料送迎バスが約7分で浜名湖のほとりまで運んでくれます。
2024年4月にアコーのブランドとして生まれ変わったグランドメルキュール浜名湖リゾート&スパは、夕朝食もラウンジのお酒も温泉もプールも宿泊料金に含まれた、オールインクルーシブを軸とする湖畔のリゾートです。
——チェックインした瞬間から、もう何も選ばなくていい。そんな滞在を叶えてくれる一軒を、私が同ブランドのグランドメルキュール沖縄残波岬リゾートに滞在して感じたブランドの空気に、公式情報と滞在した人々の声を重ねながら、ひとつずつ紐解いていきます。
選ぶことからも、払うことからも解放される

旅先に着いてからも、夕食はどこにするか、飲み物はどうするか、追加の会計はいくらになるか——決めごとが続くと、休みに来たはずの頭が休まりません。このホテルの軸にあるオールインクルーシブのプランは、その決めごとを最初にすべて手放してしまう滞在のかたちです。
夕朝食のビュッフェ、ラウンジでのドリンクやおつまみ、自家源泉の温泉、夏のガーデンプールやアクティビティまでが宿泊料金に内包されています。含まれる範囲はプランや時期によって変わることがあるため、予約時にプラン内容を確かめておくと安心ですが、基本の設計は「館内で過ごす時間のほとんどが、追加の会計を伴わない」というもの。目の前に広がる浜名湖だけを眺めて、あとは何も考えない。そんな休日のための仕組みです。
「THE 浜名湖」を知る人へ、いまの名前の話

このホテルはかつてダイワロイヤルホテルの「THE 浜名湖(THE HAMANAKO)」として親しまれ、2024年4月、アコーのブランドへの一斉リブランドを経てグランドメルキュール浜名湖リゾート&スパとなりました。
名前は変わっても、浜名湖の目の前という立地の価値は変わりません。むしろリブランドを機にエグゼクティブフロアの客室やラウンジの刷新が進み、国際的な環境認証「グリーン・グローブ」の取得も公式に発表されるなど、湖畔の名門が現代のリゾートとして磨き直されている最中です。長く愛されてきた場所の記憶の上に、新しい滞在体験が重なっていく——いまのこのホテルには、そんな時期ならではの伸びやかさがあります。
チェックインのあとは、誰もがグラスを片手に

ホテルのラウンジと聞くと、上級客室の宿泊者だけに開かれた場所を思い浮かべるかもしれません。けれどこのホテルの「ザ・ラウンジ」は、滞在するゲストみんなの社交場。赤ワインや白ワイン、ビールなどのお酒に、コーヒー、紅茶、ハーブウォーターといったソフトドリンク。誰もがグラスを片手に、湖畔の時間へゆっくり潜っていけます。
夜の時間帯のナイトラウンジはお子さま連れでも利用でき、家族みんなで一日を締めくくれるのも嬉しいところ。私が沖縄・残波岬の同ブランドでエグゼクティブラウンジを体験した際も、このラウンジの時間こそがグランドメルキュールの真ん中にある贅沢だと感じました。
なお、ドリンクやお菓子の客室への持ち出しは遠慮する決まりです。ラウンジの空気ごと味わうのが、この場所の正しい使い方だと思います。
最上階の特等席は、客室から逆算して手に入れる

ホテル最上階の13階には「エグゼクティブ レイクビューラウンジ」があります。利用できるのは、エグゼクティブツインとすべてのスイートルームに宿泊するゲストだけ。広大な浜名湖を一望しながら、夕方は「樂遇(らぐ)」のイブニングソーシャル、夜は「鳥渡(ちょっと)」のナイトキャップと、二部制でゆったりした時間が流れます。
グラスに注がれるのはビールやスパークリングワイン、赤白のワイン。ウィスキーや地元の銘酒、おつまみも用意され、夕陽に染まる湖面から夜の帳まで、時間とともに移ろう景色を眺めるためだけの空間です。朝食やチェックイン・チェックアウトのサービスは提供されないため、あくまで「景色と一杯のための場所」と考えるのが正解。
この特等席から滞在を組み立てたい方は、客室カテゴリーから逆算して、エグゼクティブツイン以上を予約する価値があります。

改装年まで正直に明かす、3つの系統の客室

客室はEXECUTIVE、STANDARD、CLASSICの3系統。公式サイトは系統ごとの違いを正直に開示しています。エグゼクティブツインは2024年4月にリニューアルされた最新世代で、浜名湖と遠州綿紬から着想を得た壁紙のアートが目を引きます。スタンダードツインは2016年に改装された系統、クラシックツインは改装を行っていない系統です。
どの系統を選んでも、客室は全室36㎡以上。畳でごろりと過ごせる和室・和洋室や、144㎡のクラシックスイート、2室続きで大人数に応えるコネクティングルームまで、家族の人数と過ごし方に合わせて選べます。
新しさを求めるならエグゼクティブ、費用を抑えて湖畔の滞在そのものを楽しむならクラシック——と、成り立ちを知ったうえで選べるのがこのホテルの良さ。和室・和洋室ではお布団敷きがセルフサービスであること、客室のアメニティは歯ブラシのみでコームや髭剃りはフロントで受け取る方式であることも、あらかじめ知っておくと当日に慌てません。
眺望の希望は伝えられますが確約はされないため、湖側にこだわる場合は予約時に相談を。館内着や部屋着の細かな設えは、公式サイトのよくある質問もあわせて確認しておくと安心です。
地下500メートルから、今日の疲れを迎えにくる湯

一日の終わりに向かうのは、地下約500メートルから湧出する自家源泉「ゆうとう温泉」。ゆったりとした大浴場に加えて露天風呂があり、夜は星空を見上げながら湯に浸かれます。日帰り入浴は受け付けておらず、この湯に浸かれるのは泊まる人だけ。観光の喧騒から切り離された、静かな湯の時間が守られています。
サウナは男性がドライサウナ、女性がミストサウナ。湯上がりには温泉ラウンジでクールダウンできます。タオルは客室から持参する方式で、シャンプーや化粧水、クレンジングオイルなどのアメニティは備え付け。タトゥーのある方は、8センチ×10センチのカバーシール2枚で隠せる場合のみ入浴でき、7歳以上のお子さまは異性の浴場に入れません。バスタイムカバーの貸し出しもあるので、必要な方はフロントへ。
青空の下、何もしない時間を過ごすガーデンプール

夏のリゾートの主役は、屋外のガーデンプールです。大人がゆったり過ごせるメインプールに、小さなお子さま向けのキッズプールを併設。宿泊者は無料で、プールサイドで何もせず湖からの風に吹かれるのも、家族で水しぶきを上げるのも自由です。
嬉しいのは、チェックイン前の14時から、そしてチェックアウト後も11時まで利用できること。到着してすぐ水着に着替えれば、部屋に入る前から休日が始まります。浮き輪はレンタルがなくショップでの販売のみ、水遊び用パンツは上から水着を着用すれば利用可能。プールサイドの飲食はソフトドリンクのみという運用です。夏季限定の営業のため、日程は公式サイトで確認を。
うなぎもシラスも餃子も、浜松の夜はビュッフェで巡る

夕食の舞台は、2階のビュッフェレストラン「Le Sensoriel(ル・サンソリエル)」。358席の広々とした会場に、地元浜名湖の魚介や野菜をふんだんに使った和洋折衷の料理が並びます。鯛を丸ごと蒸し上げた鯛の姿むし、遠州灘の釜揚げシラス、わさびタルタルのうなぎバーガーに浜松餃子——土地の名物を少しずつ試せるのがビュッフェの楽しさです。
ライブキッチンでは出来たての料理が次々と供され、オールインクルーシブならドリンクを気兼ねなく合わせられます。
知っておきたいのは、席が自由席で事前の予約を受け付けていないこと。混み合う時間帯は案内を待つ場面もあるようなので、ゆっくり食べたい方は時間をずらす工夫を。ケーキなどの持ち込みや預かりは受け付けておらず、ランチの営業はありません。昼は湖畔の街へ出て、夜は館内で——という時間割が、このホテルの設計です。
銀色の湖面を眺めて、焼きたての朝食を

朝もビュッフェ形式で、ライブキッチンから出来たてのメニューが並びます。窓の外には朝の光を受けた浜名湖。夜とはまったく違う、銀色にきらめく湖面を眺めながらの朝食は、このロケーションならではのごちそうです。
離乳食の用意もあるので、赤ちゃん連れの方はスタッフに声をかけてみてください。朝を大切にしたい方は、公式サイトでプラン内容を確認のうえ、夕朝食付きのオールインクルーシブプランを検討してみてください。
手を動かす午後、Hamana工房で思い出をかたちに

館内には、体験型アクティビティの拠点「Hamana工房」があります。浜名湖や静岡ならではの素材や文化を取り入れたものづくりの空間で、貝殻クラフトなどの体験教室を開催。お子さまから大人まで、旅の思い出をかたちに残せます。
ほかにも1階には卓球コーナー、3階にはゲームコーナーがあり、夕食後のひと勝負も定番の過ごし方。一方で、未就学児向けのキッズコーナーは設けられていません。小さなお子さま連れの場合は、プールやHamana工房、そして目の前の湖そのものを遊び場と考えるのがこのホテルらしい楽しみ方です。公式サイト予約なら6歳以下のお子さま2名まで宿泊無料になる特典もあり、家族旅行の受け皿としての設計は充実しています。
湖と行き来して過ごす、いくつかの正直な話
このホテルの主役は、あくまで浜名湖です。目の前からエビスキ漁やたきや漁といった湖の伝統漁体験へ出られ、日本で唯一湖上を渡る「かんざんじロープウェイ」へも車で約15分。館内に籠るというより、湖と行き来しながら過ごすリゾートだと考えると、滞在の輪郭がはっきりします。
いくつか正直に。ペットとの宿泊はできません。ランチ営業はなく、昼食は周辺で。深夜2時から4時30分はメインエントランスが施錠されるため、深夜の出入りはインターホンでスタッフを呼ぶ方式です。連泊派には、1階に24時間使えるコインランドリーがあるのも心強いところ。都会のホテルの華やかさではなく、湖畔の静けさと家族の歓声が同居する場所。そのことを分かって訪れる方には、これ以上ない休日が待っています。
旅の日程が決まったら

グランドメルキュールを含むアコーのホテルには、無料で入会できる会員プログラム「ALL – Accor Live Limitless」があります。宿泊でポイントが貯まり、会員料金での予約や特典との交換など、アコーのホテルを旅の定番にしたい方の入口になる仕組みです。
会員プログラムには入らず、今回の一泊を総額で選びたい場合は、予約プラットフォームの使い分けが効いてきます。同じ客室でも、楽天トラベル・一休・Yahoo!トラベルでは掲載されるプランと総額が違ってくるためです。
- 楽天トラベルは楽天ポイントを貯めて使える
- 一休は上質な宿に絞った掲載とタイムセール
- Yahoo!トラベルはPayPayとの連携が持ち味(編集部おすすめ)
普段お使いのポイント経済圏に合わせるのがいちばん無駄がありません。会員ランクや開催中のセールによって還元も変わりますので、三つを横に並べて総額で見比べるのが確実です。
エグゼクティブ レイクビューラウンジを使える客室は、数が限られています。湖を見晴らす特等席で過ごしたいなら、日程が固まったら、その日のうちに。

結び|遠くへ行くことではなく、深く休むこと
新幹線を降りて、在来線に少し揺られて、送迎バスで7分。そのささやかな乗り継ぎの先に、選ぶことも払うことも手放せる湖畔の一軒が待っています。夕陽が湖面を染める時間、グラスを片手に窓辺へ。それだけで、今日までの疲れがゆっくりほどけていくはずです。
大切なのは、遠くへ行くことではなく、深く休むこと。次の休日の答えは、もう見えているのではないでしょうか。

もっと深く知る
アクセス|グランドメルキュール浜名湖リゾート&スパ
拠点となるのはJR浜松駅。東京から新幹線ひかりで約1時間30分、新大阪から約1時間35分、名古屋からは約35分です。浜松駅から東海道本線で約10分のJR舞阪駅が最寄り駅で、駅北口とホテルのあいだを無料送迎バスが結びます。乗車時間は約7分、予約は不要ですが便数が限られるため、時刻は事前に公式サイトで確認しておくと安心です。
浜松駅から直接向かう場合はタクシーで約30分、遠鉄バスなら約40分の「山崎南」下車後、徒歩約10分となります。
車の場合は東名高速道路の浜松西ICから約20分。駐車場は約300台分が無料で、予約不可の先着順です。電気自動車用の充電設備(有料)も備わっているので、EVでの旅は最新の利用条件を公式サイトで確認しておくと安心です。
基本情報|グランドメルキュール浜名湖リゾート&スパ

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | グランドメルキュール浜名湖リゾート&スパ |
| 所在地 | 静岡県浜松市中央区雄踏町山崎4396番地の1 |
| 電話 | 053-592-2222 |
| チェックイン/チェックアウト | 15:00/11:00(プランにより異なる場合あり) |
| 温泉 | ゆうとう温泉(自家源泉・大浴場・サウナ・温泉ラウンジ/日帰り入浴不可) |
| プール | ガーデンプール(メイン・キッズ/夏季営業・宿泊者無料) |
| ラウンジ | ザ・ラウンジ/エグゼクティブ レイクビューラウンジ(13階・エグゼクティブツイン、スイート宿泊者限定) |
| 駐車場 | 約300台・無料・先着順 |
| ペット | 不可 |
| 喫煙 | 全客室禁煙(2階に喫煙スペース) |
| 宴会場・会議室 | あり |
| 決済 | クレジットカードのほかPayPay等の電子マネーに対応 |
> ※グランドメルキュールのブランド体験に関する記述は、筆者が同ブランドのグランドメルキュール沖縄残波岬リゾートに滞在した際の内容にもとづきます。当ホテルの館内施設・客室・ダイニング等の情報は、ホテル公式サイトおよび公式発表に基づきます(2026年8月時点)。料金・営業時間・イベント開催日程は変更となる場合があるため、最新情報は公式サイトをご確認ください。

