大通公園のほとり、グラスを片手に暮れていく札幌。
地下鉄東西線の西11丁目駅から歩いて約3分。大通公園の緑が途切れるあたりに、空へ向かってすっと立つ高層のホテルが見えてきます。グランドメルキュール札幌大通公園——2024年4月、長く「ロイトン札幌」の名で親しまれてきた一軒が、アコー系のブランドをまとって生まれ変わった、札幌の真ん中のオールインクルーシブホテルです。
——夕方はラウンジでワインを、夜はバータイムでもう一杯を、朝は焼きたてのパンケーキを。そのすべてが宿泊料金に含まれている滞在を、私が同ブランドのグランドメルキュール沖縄残波岬リゾートに滞在して感じたブランドの空気に、公式情報と滞在した人々の声を重ねながら、ひとつずつ紐解いていきます。
街なかで叶うオールインクルーシブ|選ぶことから、解放される

旅先のホテル選びで意外と疲れるのが、着いてからの「どうしようか」の連続です。夕方の一杯はどこで飲むか、夜は何時まで出歩くか。予定を組み立てているうちに、休むために来たはずの旅で、頭だけが働き続けてしまう。
グランドメルキュール札幌大通公園の答えは、オールインクルーシブという設計です。宿泊料金に朝食、ラウンジでのドリンクやおつまみ、館内アクティビティが含まれていて、リゾートの専売特許だったはずの「館内で完結する夜」が、札幌の中心で成立しています。
もちろんここは街なかのホテル。すすきのへ繰り出す夜も、大通公園を散歩してから戻る夕暮れも自由自在です。出かけてもいいし、出かけなくてもいい。その選択肢の広さこそ、この一軒を選ぶいちばんの理由だと感じます。
旧ロイトン札幌|同じ建物に、新しい滞在の設計

「以前の名前は何だったのだろう」と検索される方が多いホテルでもあります。前身は、コンベンションホテルとして札幌の会議やイベントを支えてきた「ロイトン札幌」。大手旅行会社の公式案内にも「旧 ロイトン札幌」と明記されており、2024年4月1日にアコー系の「グランドメルキュール札幌大通公園」としてリブランドオープンしました。
大理石を基調とした重厚な内装や、催事を受け止めてきた大小の宴会場は、この建物が積み重ねてきた時間の証です。そこへ、全員が使えるラウンジとオールインクルーシブという新しい滞在の設計が重なりました。名前は変わっても、街の記憶はこの場所に残っています。
大通公園まで約3分|札幌の四季の、いちばん近くで

札幌の一年は、大通公園を中心に回っていきます。初夏のライラック、夏のビアガーデン、そして冬の雪まつり。その大通公園まで、ホテルからは約3分。季節の催しの高揚も、朝のしんとした並木道も、思い立ったときに歩いて行ける距離です。
最寄りは地下鉄東西線の西11丁目駅で、徒歩約3分。JR札幌駅からはタクシーで約5分、すすきのへのアクセスも良好です。時計台やさっぽろテレビ塔といった定番スポットも徒歩圏で、公式には都市型水族館AOAO SAPPOROやテレビ塔展望台の入場券付きプランも用意されています。観光の拠点性という点で、申し分のない座標です。
夕暮れと夜更け、2度満ちるラウンジ|樂遇と鳥渡

このホテルの検索でいちばん多く調べられているのが、ラウンジのこと。1階のレストラン「Le Sensoriel」を舞台に、宿泊者が利用できるラウンジタイムが1日に2度訪れます。
ひとつめは15時から19時の「樂遇/EVENING SOCIAL」。赤ワインや白ワイン、ビールなどのお酒に、コーヒー、紅茶、ハーブウォーターといったソフトドリンクを片手に、チェックイン後のひとときをゆったり過ごせます。
ふたつめは21時から23時の「鳥渡/NIGHT CAP」(飲食の提供は22時30分まで)。すすきのから戻ったあとの一杯を、部屋着に着替える前に楽しむバータイムです。
私が沖縄・残波岬の同ブランドでエグゼクティブラウンジを体験した際も、このラウンジの時間こそがグランドメルキュールの真ん中にある贅沢だと感じました。札幌では、それが全員に開かれています。
利用にあたっては、館内着・スリッパでの入場や、飲食の持ち込み・持ち出しはご遠慮くださいとの案内があります。ラウンジは「その場で、その時間を味わう」ための空間。グラスを傾けながら、旅の続きを組み立てる時間にしてみてください。
24㎡から始まる客室|眺めのいい部屋で、朝日と目覚める

客室はSUPERIORとCLASSICの2系統。いずれも24㎡以上のゆとりある造りで、ベッドには快眠を支えるシモンズ社製が採用されています。高層のホテルらしく、上層階の客室からは札幌の街並みを一望でき、朝はカーテン越しに燦々と朝日が差し込みます。
スタンダードな選択肢は30㎡のクラシックツイン。ほかに24㎡のクラシッククイーン、32㎡のクラシックキングと、ひとり旅からふたり旅まで過不足のないラインナップが揃います。大浴場を持たないホテルだからこそ、部屋そのものの快適さ——ベッドの寝心地と窓の景色——が滞在の質を決めます。その2点をきちんと押さえた客室です。
定員6名のツインから120㎡のスイートまで|女子旅も、三世代も

このホテルの客室構成でおもしろいのが、大人数への懐の深さです。スーペリアツインは30㎡で定員6名。ベッドを分け合いながら夜更けまで話し込む女子旅やグループ旅に、そのまま応えてくれます。公式でも「さっぽろ女子うれし旅」と題した女性グループ向けの特集や、3名以上の宿泊でお得になるプランが展開されており、にぎやかな旅への歓迎が伝わってきます。
特別な滞在には、60㎡のジュニアスイート、そして120㎡のクラシックデラックススイートという選択肢も。リビングを備えた広さは、記念日の滞在や家族の集まりを、部屋の中だけで完結させてくれます。

焼きたてパンケーキの朝|Le Sensorielの朝食ビュッフェ

朝食の会場は、ラウンジと同じ1階の「Le Sensoriel」。エレガントな内装の店内で、地元札幌の食材を取り入れたビュッフェが並びます。
名物は、北海道のバターミルクを使ったクラシックパンケーキ。焼きたてが提供され、王道のメイプルシロップのほか、ミックスベリーのシチューで甘く、クリーミーナッツソースとプロシュートで甘じょっぱくと、その日の気分で仕立てを変えられます。
ほかにも、野菜と果物をたっぷり使ったスムージー、オリジナルのパンにスモークソーセージを挟んだプチホットドッグ、クロワッサンやバターチキンカレーまで、朝から選ぶ楽しさに満ちた顔ぶれです。
朝を大切にしたい方は、予約の際に朝食付きプラン、あるいは朝食を含むオールインクルーシブのプランを選んでおくのがおすすめです。
アイヌ文様のペンダントを、旅の記憶に

グランドメルキュールの滞在には、その土地の文化に触れるアクティビティ「ローカルディスカバリー」が組み込まれています。札幌で用意されているのは、北海道の伝統文化であるアイヌ文様をあしらったペンダントの組立体験。オールインクルーシブの一環として、館内で気軽に参加できます。
観光地を駆け足で巡るだけでは出会えない、土地の物語に手で触れる時間。子ども連れの旅なら親子の思い出づくりに、大人の旅なら夜のラウンジ前のひとときに。持ち帰ったペンダントは、札幌の旅のいちばん小さな記念碑になってくれるはずです。
大浴場のない夜の過ごし方|この宿の設計思想
正直にお伝えすると、このホテルに大浴場やプールはありません。コインランドリーや製氷機、ルームサービスの用意もなく、館内は全室禁煙(喫煙は1階フロント横の喫煙ブースで)。リゾートの設備一式を期待して選ぶと、すれ違いが起きるホテルです。
けれどその割り切りは、街なかホテルとしての設計思想でもあります。湯船に長く浸かる夜の代わりに、ここにはラウンジのバータイムがある。館内で完結させたい夜はグラスを重ね、外へ出たい夜は徒歩圏のすすきのや周辺の飲食店街が受け止めてくれます。電子レンジは1階フロント横に、当日の荷物は無料のセルフバゲージに。必要なものは、ちゃんと揃っています。
自分を整える滞在の主役は、シモンズのベッドと高層階の静けさ、そして2度満ちるラウンジの時間。そう捉え直すと、この一軒の輪郭がすっと見えてきます。
旅の日程が決まったら

アコーホテルズには、入会金・年会費無料の会員プログラム「ALL(Accor Live Limitless)」があります。宿泊でポイントが貯まり、会員料金での予約など、アコー系のホテルを旅の定番にしたい方には心強い仕組みです。
会員プログラムには入らず、今回の一泊を総額で選びたい場合は、予約プラットフォームの使い分けが効いてきます。同じ客室でも、楽天トラベル・一休・Yahoo!トラベルでは掲載されるプランと総額が違ってくるためです。
- 楽天トラベルは楽天ポイントを貯めて使える
- 一休は上質な宿に絞った掲載とタイムセール
- Yahoo!トラベルはPayPayとの連携が持ち味(編集部おすすめ)
普段お使いのポイント経済圏に合わせるのがいちばん無駄がありません。会員ランクや開催中のセールによって還元も変わりますので、三つを横に並べて総額で見比べるのが確実です。
雪まつりをはじめ大通公園でイベントが開かれる時期は、会場至近のこのホテルに予約が集まりやすくなります。日程が固まったら、その日のうちに。

結び|遠くへ行くことではなく、深く休むこと
大通公園の緑を歩き、夕方のラウンジでグラスを傾け、夜はもう一度バータイムへ。朝は焼きたてのパンケーキと、窓いっぱいの札幌の街。街の真ん中にいながら、財布のことを一度も考えずに満ちていく時間が、ここにはあります。
ロイトン札幌が積み重ねてきた土台の上に、オールインクルーシブという新しい過ごし方が重なった一軒。次の札幌で泊まるべき場所の答えは、もう見えているのではないでしょうか。

もっと深く知る
- グランドメルキュール沖縄残波岬リゾート(ブランド体験レビュー)
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アクセス|グランドメルキュール札幌大通公園
最寄り駅は地下鉄東西線の西11丁目駅で、ホテルまで徒歩約3分。JR札幌駅からはタクシーで約5分です。新千歳空港からは空港連絡バスが便利で、所要約1時間15分、予約不要でホテル前に停まります。ホテル発の空港ゆきは午前を中心に本数が限られるため、出発時刻は事前に公式サイトなどでご確認ください。
お車の場合は地下駐車場が利用できます。先着順・予約不要で、高さ制限は2.1メートル。宿泊者向けの料金設定があり、滞在中の再入出庫も可能です。料金や空き状況の最新情報は公式サイトをご確認ください。駐車場からフロントへの道順は、公式サイトに案内図が用意されています。
基本情報|グランドメルキュール札幌大通公園

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | グランドメルキュール札幌大通公園 |
| 所在地 | 北海道札幌市中央区北1条西11丁目1番地1 |
| 電話番号 | 011-271-2711 |
| チェックイン | 15:00 |
| チェックアウト | 11:00 |
| 客室 | SUPERIOR・CLASSICの2系統(24㎡〜120㎡・全室禁煙) |
| レストラン | Le Sensoriel(1階・朝食ビュッフェ会場) |
| ラウンジ | 樂遇/EVENING SOCIAL(15:00〜19:00)・鳥渡/NIGHT CAP(21:00〜23:00) |
| オールインクルーシブ | 朝食・ラウンジ・館内アクティビティ等を含む(一部有料あり。ランチ・夕食の提供なし。食事の有無は予約プランによる) |
| 添い寝 | 未就学児まで(公式サイト予約は0〜6歳の添い寝が宿泊・食事とも無料) |
| 駐車場 | 地下駐車場(有料・先着順・予約不要・高さ制限2.1m) |
| 宴会場 | 2階・3階・20階に大小のコンベンションホール |
| 大浴場・プール | なし |
| コインランドリー・製氷機・ルームサービス | なし(電子レンジは1階フロント横) |
※札幌市では宿泊税が導入されています。詳細は公式サイトおよび札幌市の案内をご確認ください。※グランドメルキュールのブランド体験に関する記述は、筆者が同ブランドのグランドメルキュール沖縄残波岬リゾートに滞在した際の内容にもとづきます。当ホテルの館内施設・客室・ダイニング等の情報は、ホテル公式サイトおよび公式発表に基づきます(2026年8月時点)。料金・営業時間・イベント開催日程は変更となる場合があるため、最新情報は公式サイトをご確認ください。

