赤坂の空、38階から上に生まれた森の呼吸。
赤坂の交差点から見上げると、ガラスのタワーが空へまっすぐに伸びています。その垂直方向、地上38階から上の数フロアだけ、時間の流れがまるで違う場所がある。
2026年3月、赤坂トラストタワーの38〜43階に誕生した「1 Hotel Tokyo(ワンホテルトウキョウ)」は、米国発のサステナブルラグジュアリーブランド「1 Hotels(ワンホテルズ)」の日本初上陸となる一軒です。客室は全211室。溜池山王駅と地下で直結し、エレベーターを降りた瞬間に迎えてくれるのは、磨き上げられた大理石ではなく、あたたかな無垢材と、みずみずしい植物たちです。
——ラグジュアリーの定義が、煌びやかさから「地球と自分にどれだけ誠実か」へと移りつつあるいま、その潮流の先頭を走ってきたブランドが、ついに東京を選びました。開業まもないこの一軒の魅力を、公式情報をもとに、ひとつずつ紐解いていきます。
1 Hotelsというブランド|自然を、いちばんの贅沢とする思想

1 Hotelsは、ホスピタリティ業界のビジョナリーとして知られるバリー・スターンリヒト氏が創設した、ミッション主導型のサステナブルラグジュアリーブランドです。2015年にマイアミとニューヨークで産声を上げ、以来、自然への敬意をデザインとサービスのすべてに織り込むスタイルで、世界の旅行者から支持を集めてきました。
省エネ・節水のシステムから再生材料の使用まで、環境への配慮はホテルのあらゆる部分に息づいています。けれどそれは、我慢や禁欲の物語ではありません。自然に包まれることそのものを最高の贅沢として設計する──それが1 Hotelsの流儀です。日本誘致を実現したのは、コンラッド東京や東京エディション虎ノ門などを手がけてきた森トラスト。サステナブルな旅への関心の高まりという世界の潮流を見据えた、満を持しての上陸です。
東京ワールドゲート赤坂|緑地5,600㎡の上に立つタワー

1 Hotel Tokyoが入るのは、森トラストとNTT都市開発が共同で進めてきた大規模複合開発「東京ワールドゲート赤坂」の中核、赤坂トラストタワーの38〜43階です。国家戦略特区の事業として認定されたこの街区には、約5,600平方メートルにおよぶ緑地が整備され、ビル街の只中に緑豊かなオープンスペースが生まれました。
アクセスの動線も複合開発ならでは。東京メトロ溜池山王駅と地下で直結し、国会議事堂前駅からもつながります。1階には空港リムジンバスが乗り入れるバスターミナルを完備。スーツケースを引いて歩く距離が最小限で済む、旅の始まりと終わりにやさしい設計です。車で向かう場合の車寄せや駐車場の利用条件は、公式サイトで事前に確認しておくと安心です。
到着の体験|大谷石の彫刻、枯山水の天井

1 Hotel Tokyoの到着体験は、日本の素材との出会いから始まります。エントランスを象るのは、栃木県産の大谷石。彫刻のように積まれた石の量感が、これから始まる滞在の「格」を静かに告げます。エレベーターで38階へ上がれば、そこは空のロビー。ラウンジの天井には枯山水をイメージしたデザインが施され、日本の侘び寂びとブランドの自然愛が、頭上で溶け合っています。

窓の外には、東京の街並みがどこまでも広がる眺望。足元には無垢材のぬくもり、視界のあちこちに植物の緑。高層階のホテルにありがちな無機質な緊張感がなく、標高とやすらぎが同居する、不思議な心地よさに包まれるはずです。
客室|森の静けさを、38階の上へ

客室は全211室。スイートやペントハウスも擁する構成で、いずれも自然素材のあたたかさと、高層階ならではの眺望を併せ持ちます。客室内にも植物が息づき、木の質感に包まれた空間は、東京の真ん中にいることを忘れさせる静けさ。窓の外に広がる街の光さえ、ここからは自然の風景の一部のように見えてきます。
ベッドに横たわって目を閉じれば、聞こえるのは空調のかすかな音だけ。都市のホテルでこれほど「呼吸が深くなる」部屋は、なかなかありません。眠りのための空間として、そして自分を取り戻すための空間として、丁寧に設計された客室です。
サステナビリティのディテール|足場が、アートになる

このホテルの環境哲学は、掲げられたスローガンではなく、手で触れられるディテールに宿っています。たとえば客室の壁面を飾る木製のパネル。よく見ると木目や質感がひとつひとつ異なるこのオーナメントは、ホテルの建設時に使われていた足場を解体し、加工して蘇らせたものです。役目を終えれば廃棄されるはずだった資材が、空間を彩る主役に生まれ変わる。

グラスにはワインボトルの再利用品を取り入れ、館内の至るところに配された植物は、心を癒すだけでなく空気を浄化する役割も担います。ラグジュアリーと引き換えに何かを犠牲にするのではなく、循環の中に美しさを見出す。滞在するほどに、その思想が細部から伝わってきます。
バンフォード・ウェルネス・スパ|英国発ウェルネスの聖域

滞在の核心となるのが、38階の「バンフォード・ウェルネス・スパ」です。英国のオーガニックライフスタイルブランドとして世界のウェルネスシーンを牽引してきたバンフォードのスパが、このホテルのウェルネスフロアに展開。自然由来のプロダクトと熟練のセラピストの手が、都市生活で強張った心身を、ゆっくりと解きほぐしてくれます。
赤坂の空の上で自分をいたわる数時間は、この滞在でしか手に入らない種類の贅沢です。トリートメントメニューや料金、営業時間の詳細は、公式サイトで最新情報をご確認ください。
プール|空と街を見渡す、18mの水辺

スパと同じウェルネスフロアには、長さ18メートルの温水インドアプールが備わっています。都心の高層階で、これだけの水辺を持つホテルは貴重な存在。ゆったりと泳いだあとは、空と都市を見渡すテラスで火照った身体を休められます。
朝いちばん、まだ街が目覚める前の静かな水面を独り占めする時間。あるいは夕暮れ、茜色に染まる空を眺めながらのひと泳ぎ。水に身を委ねる時間は、思考のノイズを流し去ってくれます。利用条件や営業時間は公式サイトでの確認を。水着を旅支度に加える価値は、十分にあります。
フィットネス|身体を動かす習慣を、旅先でも

ウェルネスを掲げるホテルらしく、フィットネス設備も充実しています。旅先でもトレーニングのルーティンを絶やしたくない人、観光で歩き回る前に身体を目覚めさせたい人。その両方に応える空間です。
スパ、プール、フィットネス。心身を整えるための選択肢がワンフロアに揃っているからこそ、滞在のリズムを自分でデザインできます。詳しい設備や利用条件は、公式サイトでご確認ください。
NiNi|ふたつの海、ふたつのリズムが出会うダイニング

38階のレストラン「NiNi(ニニ)」は、このホテルの食の中心です。店名に込められたのは「Two Two」という思想。ふたつの海、ふたつの文化、ふたつのリズム──フレンチ・リヴィエラの軽やかな味わいに日本の確かな技と感性を重ね、季節と食材がその日の一皿を自然にかたちづくります。地上38階のパノラマビューが広がる100席超の空間で、プロヴァンスのハーブやオリーブオイル、魚介、柑橘が、日本の四季と静かに調和する料理を。

このレストランのもうひとつの顔が、週末のブランチタイムです。シーフードプラッターやNiNiバーガー、デザートトロリーが並び、DJによる心地よいサウンドが空間を満たす、週末ならではの高揚感。朝は軽やかに、昼はゆったりと、夜は社交場に。一日の時間の流れそのものを設計したダイニングです。
アフタヌーンティー|木箱で届く、季節のコレクション

NiNiでは、季節ごとに旬の食材をテーマにしたアフタヌーンティーが展開されています。アイコニックなのは、オリジナルの木箱での提供スタイル。スイーツとセイボリーが宝箱のように届けられる演出は、開業早々から話題を集めています。
テーマは季節とともに移り変わるため、旬の内容は公式サイトやレストラン予約サイトでの確認がおすすめです。窓の外に赤坂の街を見下ろしながら、香りと味わいの重なりをゆっくりと解いていく午後。都心のアフタヌーンティーの新しい定番になっていく予感がします。
Spotted Stone|ジャパニーズ・クラフトジン、50の物語

夜の主役は、バー「Spotted Stone(スポッテッド ストーン)」です。主役に据えるのは、50種類以上のジャパニーズ・クラフトジン。全国各地の蒸留所から集められたボトルの棚は、日本の蒸留文化を旅するライブラリーのようです。店名の由来は、鉱物と水と圧力と時間が生み出す「石の斑紋」。日本庭園や工芸に通じる美意識が、バーの空間そのものに響いています。
日中は落ち着いたラウンジとして、夜はマティーニの似合う大人の空間として。NiNiのバーとともに、音楽を軸にした年間プログラムやゲストバーテンダーとのコラボレーションも展開され、「人が集う目的地」として育てられていくバーです。東京にいながら日本中のジンに出会える夜を、ぜひ。
Neighbors Café|「近所」を味わう、テイクアウトカフェ

館内のテイクアウト専門カフェ「Neighbors Café」のコンセプトは、その名のとおり「近所のもの・人」。職人によるコーヒーやティー、ヘルシーなフードやスイーツが並び、THE MATCHA TOKYOやオーガニックグラノーラのMARUGRAなど、こだわりのブランドとの連携も光ります。
観光へ出かける朝のコーヒーを、部屋でのんびり過ごす午後のおやつを。近隣を応援するという姿勢ごと味わえるカフェは、サステナビリティを「地域とのつながり」として実践するこのホテルらしい場所です。
朝の過ごし方|水辺から始めて、光の中の朝食へ

このホテルの朝は、選択肢の豊かさが魅力です。まだ街が目覚める前にプールでひと泳ぎして、身体の輪郭をはっきりさせてから、光の差し込む「NiNi」で軽やかな朝の食卓へ。窓の外に広がる東京の朝景色とともに、一日を静かに立ち上げていけます。
もっと気軽な朝には、Neighbors Caféで職人のコーヒーを買い求めて、部屋の窓辺で過ごすという選択も。朝食の提供内容や時間は公式サイトでの確認がおすすめですが、どの朝を選んでも、森の呼吸のような静けさが一日の始まりを包んでくれるはずです。朝を大切にしたい方は、宿泊予約の際に朝食付きプランを検討してみてください。
過ごし方の提案|赤坂という、江戸と森のあいだ

1 Hotel Tokyoが立つ赤坂は、オフィス街の顔の裏に、豊かな歴史の層を持つ街です。東京ワールドゲート赤坂の街区からは赤坂氷川神社方面への歩行者動線も整備され、朝の散歩コースには事欠きません。緑地を抜けて神社の杜へ。都心にいながら、木々の匂いとともに一日を始められます。
虎ノ門や六本木、麻布台へも徒歩圏または地下鉄ですぐという機動力も魅力。とはいえこのホテルの真価は、出かけることよりも「戻ってくること」にあります。街で過ごした時間の分だけ、38階の静けさが深く沁みる。観光の拠点というより、東京で自分を整えるための、還る場所として設計された滞在です。
旅の日程が決まったら|まずスパの予約から

旅の予定を詰め込む前に、まずスパの予約を入れる。1 Hotel Tokyoは、そんな順番で計画したくなるホテルです。開業まもないいま、木箱のアフタヌーンティーやDJの音が満たす週末ブランチ、そしてバンフォードのトリートメントは、話題性のぶんだけ席が埋まりやすいところ。日程が決まったら、客室とあわせてスパとレストランの予約を早めに済ませておくと、滞在の時間をまるごと余白に使えます。
予約の際は、楽天トラベルや一休.com、Yahoo!トラベルといった予約サイトでプランを見比べるのもおすすめです。朝食付きや記念日向けなど組み立てはさまざまで、貯まるポイントまで含めれば旅の総額は変わってきます。開業直後の今だからこそ、この空の森を、混み合う前に。
結び|遠くへ行くことではなく、深く休むこと

大谷石の門をくぐり、枯山水の天井の下でチェックインを済ませ、足場材のパネルが飾る部屋で眠る。朝は18メートルのプールで身体を目覚めさせ、バンフォードのスパで心の強張りをほどき、夜はジンのグラス越しに東京の灯を眺める。1 Hotel Tokyoの滞在は、自然と自分への誠実さでできています。
サステナビリティとは、未来の誰かのための我慢ではなく、いまここにいる自分の呼吸を深くする技術なのかもしれません。遠くへ行くことではなく、深く休むこと。その新しい贅沢が、赤坂の空で待っています。次の休日をどこで整えるか──答えはもう見えているのではないでしょうか。
東京のおすすめホテル
アクセス|1 Hotel Tokyo
1 Hotel Tokyoへは、東京メトロ銀座線・南北線「溜池山王」駅から地下直結。丸ノ内線・千代田線「国会議事堂前」駅からもつながっており、雨の日も濡れずにたどり着けます。日比谷線「虎ノ門ヒルズ」駅からは徒歩10分あまりです。
空港からのアクセスも快適で、赤坂トラストタワーの1階には空港リムジンバスが乗り入れるバスターミナルを完備。ホテルのあるフロアへは、タワーのエレベーターで38階のレセプションへ向かいます。車寄せや駐車場の利用条件は、公式サイトで事前にご確認ください。
基本情報|1 Hotel Tokyo

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 1 Hotel Tokyo(ワンホテルトウキョウ) |
| 所在地 | 東京都港区赤坂2-17-22 赤坂トラストタワー38〜43階 |
| 開業 | 2026年3月 |
| 客室数 | 211室 |
| ダイニング | NiNi(レストラン)、Spotted Stone(バー)、Neighbors Café(テイクアウト) |
| ウェルネス | バンフォード・ウェルネス・スパ、温水インドアプール(18m)、フィットネス |
| ブランド | 1 Hotels(SH Hotels & Resorts)※日本初上陸 |
※館内施設・客室・ダイニング等の情報は、ホテル公式サイトおよび公式発表に基づきます(2026年7月時点)。チェックイン・チェックアウト時刻、料金・営業時間・イベント開催日程は変更となる場合があるため、最新情報は公式サイトをご確認ください。
