メルキュール富山砺波リゾート&スパ|散居村を見下ろす高台で、北陸の旬と湯にゆだねる

メルキュール富山砺波リゾート&スパ|散居村を見下ろす高台で、北陸の旬と湯にゆだねる

北陸の平野には、屋根の数だけ物語がある土地があります。

砺波平野には、田んぼのなかに家が一軒ずつ点在する散居村という風景が広がっています。屋敷林に囲まれた家々が海に浮かぶ島のように散らばり、その向こうに立山連峰の白い稜線が横たわる。日本の原風景と呼ばれるその景色を見下ろす高台に、このホテルは建っています。

メルキュール富山砺波リゾート&スパは、2024年4月に生まれ変わったオールインクルーシブのリゾートです。私がグランドメルキュール沖縄残波岬リゾートに滞在して感じた同系列の空気に、公式情報と滞在した人々の声を重ねながら、北陸の平野でほどけていくための一夜を綴っていきます。

決めることも支払うことも手放せる、オールインクルーシブという設計

木の温もりと開放感に包まれながら心躍るビュッフェを堪能できるメルキュール富山砺波リゾート&スパのレストラン
出典:公式サイトより

このホテルの輪郭を決めているのは、宿泊料金に何が含まれているかという一点です。夕食と朝食、ラウンジでのドリンクとおつまみ、温泉、そして館内で体験できるアクティビティが、宿泊料金のなかに置かれています。

ラウンジで二杯目を頼むとき、その都度なにかを判断しなくていい。北陸の日本海側は、冬になれば外へ出る理由そのものが減る土地です。選ぶことと払うことから解放された時間は、思っていたよりずっと深く休ませてくれます。

ただし食事の条件はプランによって変わり、素泊まりや朝食のみという選び方も用意されています。夕朝食付きで到着してこそ本領が出るホテルですので、予約の段階で食事条件だけは確かめておいてください。

ロイヤルホテル富山砺波という前の名前と、湧き続ける湯

豊かな緑と心地よい風に癒されながら日々の疲れを解きほぐすメルキュール富山砺波リゾート&スパの風情ある露天風呂
出典:公式サイトより

「以前の名前」「前身」と検索される方が少なくありません。答えは、ロイヤルホテル 富山砺波。大手旅行会社の施設案内には、いまも旧名称を併記した表記が残っています。

2024年4月1日、旧大和リゾート系のホテル群が一斉にアコーのグランドメルキュール/メルキュールへと衣替えしたとき、この砺波平野の高台に建つ大型ホテルもメルキュールの名を受け取りました。ブランドと滞在の作法は更新されましたが、ホテルのオープン時に湧出した温泉は、いまも同じ場所から引かれています。

いちばん小さな部屋でもゆとりがある、平野を望むゲストルーム

窓いっぱいに広がる絶景を独り占めしてゆったりと羽を伸ばせるメルキュール富山砺波リゾート&スパの明るい客室
出典:公式サイトより

客室で驚くのは、下限の高さです。公式が案内する客室は、ツインも和室も和洋室も、いずれも35㎡以上。ゆとりのある部屋がある、ではなく、狭い部屋がない、というつくりです。

上の階層も厚く用意されています。定員4名のクラシックツインは54㎡、クラシックジュニアスイートは73㎡、クラシックデラックススイートは159㎡。和洋室のジュニアスイートは定員10名まで対応し、三世代の集まりや親族での旅も一部屋で受け止めます。

車いすでの利用に配慮したクラシックアクセシブルツインが用意されているのも、この物件の特徴です。系列のなかでも、対応の幅がはっきりしているほうだと言えます。

窓の外に広がるのは、屋敷林の緑と田んぼの水面、そして遠くの立山連峰。朝の光が平野を渡っていく時間は、カーテンを開けたまま寝てしまってもいいと思わせてくれるはずです。

湯上がりのグラスが待っている、夜のラウンジ

大きな窓から季節の移ろいを感じながらのんびりとした時間を過ごすメルキュール富山砺波リゾート&スパの和モダンな空間
出典:公式サイトより

ラウンジでは、スパークリングワインやビールといったお酒に加え、コーヒー、紅茶、ハーブウォーターなどのソフトドリンクが用意されています。予約サイト向けの公式案内では、ラウンジアクセス付きのオールインクルーシブであることが明記されています。上級客室の特典ではなく、どの部屋を選んでも同じ時間が待っているということです。

私が沖縄・残波岬のグランドメルキュールでラウンジの時間を体験した際も、このラウンジの時間こそがオールインクルーシブの真ん中にある贅沢だと感じました。飲みに行くのではなく、行った先に飲みものがある。順番が逆になるだけで、夜の密度が変わります。

ふたつの水源が混ざり合う、砺波平野を望む展望露天岩風呂

静寂に包まれた広々とした空間で心と体を芯から温めるメルキュール富山砺波リゾート&スパの大浴場
出典:公式サイトより

1階の露天温泉岩風呂は「越中となみ野温泉」。ホテルのオープン時に湧出した温泉で、八尾累層と医王山累層というふたつの水源を持ち、両方の特性をあわせ持っています。温度が低めに設定されているため、のぼせずに長く浸かっていられるのが持ち味です。

岩風呂からは砺波平野が見渡せます。屋敷林の輪郭が夕闇に溶けていくのを、湯のなかから眺める。この景色のために、日が落ちる少し前を狙って向かうのが正解だと思います。大浴場とサウナを含めた浴場全体は約262㎡と広く、正直にお伝えしておくと、大浴場のほうは沸かし湯です。

利用時間は朝5時から10時と、15時から24時まで。系列のなかでもとりわけ長く、早朝に出発する日でも、遅く到着した日でも湯に入れます。タトゥーがある方は、8cm×10cmのカバーシール2枚で隠せる場合にご入浴いただけます。シールは館内で販売されています。

水引を結び、風鈴を鳴らす、北陸の手仕事にふれる時間

旅の思い出を優しく彩り日本の伝統美を感じさせるメルキュール富山砺波リゾート&スパの可憐な水引細工
出典:公式サイトより

1階フロント前のローカルディスカバリーコーナーには、富山の土地に根ざした体験が並んでいます。しかも、宿泊者は無料です。

用意されているのは、北陸水引を結ぶ「梅結び」の体験、日本文化の書道体験、富山の民謡で使われるささらという和楽器の体験、編み笠の試着、そして高岡銅器の風鈴の音色を聴く時間。どれも十分や二十分で終わるものばかりですが、その土地の手仕事に指先で触れた記憶は、写真より長く残ります。

とくに水引は、結び目そのものに意味を託す北陸の文化です。梅結びをひとつ持ち帰れば、旅の話をするときの小さな証拠になってくれるはずです。

北陸の旬をひと皿ずつ選ぶ、朝と夜のビュッフェ

富山の新鮮な海の幸や山の幸を美しい器で味わい尽くすメルキュール富山砺波リゾート&スパの彩り豊かなご褒美ディナー
出典:公式サイトより

食事の舞台は2階のレストラン「Locavore(ロカボール)」です。北陸の美味と富山砺波の旬を並べたビュッフェスタイルで、夜も朝も同じ場所が受け皿になります。

富山という土地は、食材の名前を並べるだけで気分が上がる場所です。季節ごとの地域食材を主役に据えたメニューが組まれ、何をどれだけ取るかは自分で決めていい。オールインクルーシブと組み合わさると、この自由度がいっそう効いてきます。

夕食ビュッフェは17時30分から21時、最終入場は20時30分。朝食ビュッフェは7時から9時30分、最終入場は9時です。温泉が夜24時まで開いていますので、食事のあとにもう一度湯へ、という順番も無理なく組めます。

愛犬と同じ部屋で目覚める、ふたつのドッグフレンドリー客室

犬と泊まれる客室が二種類あるのは、系列のなかでも手厚いほうです。35㎡のクラシックルームと、54㎡のドッグフレンドリーツイン。頭数や体格の条件、館内での移動方法などは公式サイトの客室ページで案内されていますので、予約前にご確認ください。

このホテルには駅からの送迎がありません。犬連れの旅は車が前提になりますが、逆に言えば、荷物も移動も自分たちのペースで組み立てられるということです。砺波平野の道は平坦で、朝の散歩には申し分ありません。

砺波ICから約15分、五箇山と立山へ向かう北陸の拠点として

メルキュール富山砺波リゾート&スパから足を延ばして訪れたい心洗われるような緑豊かな合掌造り集落の絶景
出典:公式サイトより

このホテルは、北陸観光の拠点として立っています。北陸自動車道と東海北陸自動車道が交わる砺波ICから車で約15分、距離にして約9km。金沢東JCTからは高速で約20分と、北陸のどこへ向かうにも中心に近い位置です。

鉄道なら、東京駅からJR北陸新幹線で新高岡駅までおよそ2時間20分。新高岡駅からは車で約30分、あるいはJR城端線で砺波駅まで約20分進み、そこから車で約15分という経路もあります。

周囲には北陸の名所が揃っています。庄川峡の遊覧船、合掌造りで知られる五箇山、立山黒部アルペンルート、黒部峡谷のトロッコ列車。春には砺波チューリップ公園が街を彩り、少し足を延ばせば雨晴海岸や高岡の金屋町も射程に入ります。

そして何より、移動そのものが観光になります。車で走っているあいだ、窓の外にはずっと散居村の風景が続いていくからです。

送迎がないという前提で、館内での一日を組み立てる

正直にお伝えしておきたいことがあります。このホテルに駅からの送迎はありません。砺波駅から車で約15分、新高岡駅から約30分という距離ですので、レンタカーかタクシーの手配を旅程に織り込んでおく必要があります。製氷機もなく、氷は館内のショップでお求めいただく形です。

そのうえで、館内で完結できることは多く用意されています。1階の大浴場前にはコインランドリーがあり、卓球台はフロントで受付のうえ一室ごとの貸し切りで利用できます。自動販売機は1階、駐車場は無料で224台、大型車も停められます。

つまり、車を停めた瞬間から翌朝までハンドルを握らずに済むということです。予定のない一日を意図的につくれる場所は、実はそう多くありません。

この一泊を、いちばんいい形で手元に置くために

澄み切った青空と心地よい湯の音に包まれて至福のひとときを過ごすメルキュール富山砺波リゾート&スパの岩造りの露天風呂
出典:公式サイトより

アコーの会員プログラム「ALL – Accor Live Limitless」は、入会無料で利用できます。滞在でポイントが貯まり、会員向けの料金や特典が用意される仕組みで、メルキュールはその対象ブランドです。なお、当ホテルはクレジットカードの上級会員資格が直接効くタイプの物件ではありませんので、この記事ではカードのご案内はしていません。

会員プログラムには入らず、今回の一泊を総額で選びたい場合は、予約プラットフォームの使い分けが効いてきます。同じ客室でも、楽天トラベル・一休・Yahoo!トラベルでは掲載されるプランと総額が違ってくるためです。

  • 楽天トラベルは楽天ポイントを貯めて使える
  • 一休は上質な宿に絞った掲載とタイムセール
  • Yahoo!トラベルはPayPayとの連携が持ち味(編集部おすすめ)

普段お使いのポイント経済圏に合わせるのがいちばん無駄がありません。会員ランクや開催中のセールによって還元も変わりますので、三つを横に並べて総額で見比べるのが確実です。

北陸の週末は、チューリップの春と紅葉の秋、そして雪景色の冬に一気に動きます。愛犬と泊まれる客室も、大人数を受け止められるスイートも、いずれは数が限られています。家族の予定が揃う日ほど、みんなが同じ日を狙っています。日程が固まったら、その日のうちに。

結び|平野を見下ろす湯に、北陸の旅の荷をおろす

北陸へ向かう旅は、たいてい移動が長くなります。五箇山があり、立山があり、黒部があり、季節ごとの絶景がある。走る距離を数えているうちに、休むための旅が運転するための旅に変わってしまうこともあります。

このホテルが差し出しているのは、その逆の時間です。高台に車を停めてしまえば、あとは何も決めなくていい。ふたつの水源が混ざり合う低めの湯に長く浸かり、平野に落ちていく夕日を眺め、湯上がりのグラスを片手にラウンジへ。夜が更けても、温泉は24時まで開いています。

翌朝、水引をひとつ結んでから出発してもいいし、朝5時の湯に入ってから二度寝してもいい。散居村の風景は、こちらが急がなくてもそこにあり続けてくれます。

北陸の平野に、荷物をおろせる場所がある。答えはもう見えているのではないでしょうか。

もっと深く知る

アクセス|メルキュール富山砺波リゾート&スパ

車の場合、砺波ICから車で約15分、距離にして約9kmです。金沢東JCTからは北陸自動車道で約20分(約27km)、名古屋方面は一宮JCTから東海北陸自動車道で約2時間10分(約185km)、大阪方面は米原ICから北陸自動車道で約2時間20分(約210km)が目安になります。駐車場は無料で224台、大型車も駐車可能です。

鉄道の場合、東京駅からJR北陸新幹線で新高岡駅まで約2時間20分。大阪駅と名古屋駅からは金沢駅を経由し、金沢駅からJR北陸新幹線で約15分です。新高岡駅からホテルまでは車で約30分(約15km)、またはJR城端線で砺波駅まで約20分進み、そこから車で約15分(約9km)という経路も選べます。

飛行機の場合は富山空港が最寄りです。空港連絡バスでJR富山駅へ出て、あいの風とやま鉄道とJR城端線を乗り継いで砺波駅へ向かう経路が公式に案内されています。

なお、駅からの送迎バスは運行していません。レンタカーかタクシーの手配を旅程に組み込んでおいてください。東京・名古屋・京都・大阪方面から砺波駅までの直通高速バスも運行しています。

基本情報|メルキュール富山砺波リゾート&スパ

メルキュール富山砺波リゾート&スパ|散居村を見下ろす高台で、北陸の旬と湯にゆだねる
項目内容
ホテル名メルキュール富山砺波リゾート&スパ
旧名称ロイヤルホテル 富山砺波(2024年4月1日にメルキュールとして開業)
所在地〒939-1438 富山県砺波市安川字天皇330番地
電話番号0763-37-2000
チェックイン/アウト15:00/11:00(プランにより異なる場合あり)
客室すべて35㎡以上(クラシックツイン35㎡/和洋室35㎡/和室35㎡/クラシックツイン定員4名54㎡/アクセシブルツイン35㎡/ジュニアスイート73㎡/ジュニアスイート和洋室73㎡・定員10名/デラックススイート159㎡ ほか)
レストランLocavore(ロカボール・2階)朝食ビュッフェ7:00〜9:30(最終入場9:00)/夕食ビュッフェ17:30〜21:00(最終入場20:30)
ラウンジラウンジアクセス付きのオールインクルーシブ(スパークリングワイン・ビール・コーヒー・紅茶・ハーブウォーター等)
温泉・大浴場露天温泉岩風呂「越中となみ野温泉」(1階・八尾累層と医王山累層のふたつの水源・温度低め)/大浴場(沸かし湯)/サウナ|浴場全体で約262㎡・5:00〜10:00(最終入場9:30)・15:00〜24:00(最終入場23:30)・宿泊者無料
館内体験ローカルディスカバリー(1階フロント前・宿泊者無料)=北陸水引体験「梅結び」/書道体験/ささら(和楽器)体験/編み笠試着/高岡銅器の風鈴
館内施設卓球(フロント受付・一室ごとの貸し切り・有料)/コインランドリー(1階大浴場前・有料)/自動販売機(1階)/製氷機なし
駐車場無料224台・大型車可
送迎なし(JR城端線 砺波駅から車で約15分、JR北陸新幹線 新高岡駅から車で約30分)
ペットクラシックルーム(35㎡)とドッグフレンドリーツイン(54㎡)の2タイプ・条件は公式サイトで要確認

※メルキュールおよびグランドメルキュールのブランド体験に関する記述は、筆者が同系列のグランドメルキュール沖縄残波岬リゾートに滞在した際の内容にもとづきます。当ホテルの館内施設・客室・ダイニング等の情報は、ホテル公式サイトおよび公式発表に基づきます(2026年8月時点)。料金・営業時間・イベント開催日程は変更となる場合があるため、最新情報は公式サイトをご確認ください。

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