靴を脱いで、空の上の畳へ——堂島に浮かぶ、いちばん新しい日本の休息。
大阪・キタの喧騒から、堂島川のほうへ少し歩く。オフィス街の整った街路の先に、ゆるやかにセットバックしながら空へ細くなっていく、帆のかたちのタワーが見えてきます。
高さ約195メートル、地上49階の「ONE DOJIMA」。その上層に広がるフォーシーズンズホテル大阪は、2024年8月1日、丸の内、京都、大手町に続く日本4軒目のフォーシーズンズとして開業した、大阪府への初進出物件です。
超高層の都市ホテルの中に、靴を脱ぎ、湯にほどけ、畳の上で深く休むという、きわめて日本的な休息が待っている——そんな滞在を叶えてくれる一軒を、公式情報と滞在した人々の声をもとに、ひとつずつ紐解いていきます。
超高層の中の、いちばん日本的な休息|このホテルを選ぶ理由

このホテルには、他のどのフォーシーズンズとも違う顔があります。28階には、全室畳敷きの「モダン旅館」を体現した特別フロア「GENSUI(玄水)」。36階には、16メートルの屋内プールから貸切風呂までを備えたウェルネスフロア。地上200メートル近い空の上に用意されているのは、意外なほど静かで、深い休息のかたちです。
舞台に選ばれたのは、梅田・大阪駅から歩いて10分ほど、歴史と文化が息づく堂島の地。ビジネス街の静けさと、北新地や中之島の文化的なきらめきが交差する、大阪でも独特の空気をまとうエリアです。最先端のタワーと、最も日本的な休息。そのふたつが同居していることこそが、このホテルを選ぶいちばんの理由になるはずです。
帆を張るタワーONE DOJIMAと、大阪城の石に始まる三人のデザイナーの空間

このホテルを語るには、まず建物そのものの物語から始めなくてはなりません。ONE DOJIMAは、フォーシーズンズホテルと分譲レジデンスが一体となった、日本初の超高層複合タワープロジェクト。「旅とアート」をコンセプトに掲げ、地上49階・高さ約195メートルの建物自体をひとつのアート作品として捉えた開発です。
上層階へ向かって徐々にセットバックしていく外観は、船の帆をほうふつとさせるシンボリックなデザイン。水の都・大阪が、堂島川のほとりに得た新しいランドマークです。ホテルが占めるのは、地下1階から2階、そして28階から37階。地上200メートル近い空へと続くこの「上層の世界」こそが、フォーシーズンズホテル大阪の舞台です。

館内のインテリアデザインには3組のデザイナーが起用され、日本の建築美が随所に息づいています。ロビーで出迎えてくれるのは、大阪城にインスピレーションを得たという石造りのデザイン。無骨さと気品を併せ持つ石の表情が、超高層ホテルの入口に、大地のような落ち着きを与えています。
グエナエル・ニコラ、緒方慎一郎、小市泰弘。それぞれに美学の異なる作り手たちの仕事が、フロアごと、空間ごとに響き合う構成は、館内を歩くこと自体をひとつの鑑賞体験に変えてくれます。美術館やギャラリーが集まる堂島・中之島という土地柄に、これほどふさわしいホテルもないはずです。
どの窓にも大阪の空が約束された客室と、靴を脱いで畳に上がる特別フロアGENSUI

客室は全175室。いずれも28階から上に位置するため、どの部屋を選んでも、大阪のスカイラインを見下ろす眺望が約束されています。上層階のデラックスルームには、窓際のデイベッドとリビングスペース。景色を独り占めしながら、読みかけの本と過ごす午後にちょうどいい設えです。
コーナールームでは、淀川の流れとエネルギッシュな街並み、そして時間とともに移ろう空のグラデーションを、大きな窓いっぱいに。コーナースイートの独立したベッドルームには、眺望付きのバスタブが備わり、夜景を浸かりながら眺めるという贅沢が待っています。和のエッセンスをまとった堂島スイートの、スパのように広いバスルームも印象的。どの部屋にも共通するのは、「部屋にいる時間」そのものを旅の目的にしてしまう力です。

このホテルの最大の個性が、28階の特別コンセプトフロア「GENSUI(玄水)」です。モダン旅館を表現した畳敷きの客室21室で構成されるこのフロアでは、靴を脱いで畳に上がるところから滞在が始まります。床から天井までの大きな窓に、大阪の街並み。足の裏に、い草の感触。この組み合わせの新鮮さは、体験した人にしか分からないものだと思います。
寝具は、フォーシーズンズオリジナルの布団仕様の柔らかなマットレス。旅館の風情と現代のホテルの快適さを、どちらも手放さない設計です。さらにこのフロアには宿泊者専用のティーサロン「SABO」があり、滞在中はいつでも日本茶とお茶菓子を楽しめます。障子越しのような柔らかい光の中で、急須から注ぐお茶の香りとともに過ごす午後。海外ゲストのためのフロアと思いきや、日本人の私たちにこそ響く「新しい旅館」のかたちです。

天空の屋内プールと、湯にほどける温浴とサウナと貸切風呂

ウェルネスフロアは36階。その中心にあるのが、大阪の街並みを一望する16メートルの屋内プールです。水面に身体を浮かべて、窓の外の空をただ眺める。空に近いフロアで泳ぐという体験は、それだけで非日常ですが、このプールの本当の魅力は、泳がない時間にあるのかもしれません。
水の音だけが響く静かなフロアで、思考が少しずつ空白になっていく。都市の真ん中で、これほど深く「何もしない」ができる場所は貴重です。
同じフロアには、お風呂とサウナを備えた温浴施設が用意されています。大阪の夜を歩いた後、あるいは商談続きの一日の終わりに、大きな湯船で手足を伸ばす時間。身体の緊張がゆるむと、この街の見え方まで少し変わってくるから不思議です。
さらにこのホテルには、貸切風呂という選択肢もあります。ふたりだけの、あるいは自分だけの湯の時間を、誰にも気兼ねなく。記念日の滞在や、大切な人との旅に、そっと組み込みたい体験です。利用方法や予約の詳細は、公式サイトでご確認ください。
夢の世界へ誘う、ザ・スパのトリートメント

「ザ・スパ・アット フォーシーズンズホテル大阪」には、4つのシングルトリートメントルームと1つのカップルトリートメントルーム、そして安らぎのリラクゼーションルームが揃います。至福のマッサージとエステが、日々の疲れの奥にある緊張まで、ゆっくりとほどいていきます。
24時間営業のジムも同じウェルネスフロアに。朝、誰よりも早く身体を目覚めさせるのも、深夜、一日の仕事を閉じた後に汗を流すのも自由です。プール、湯、サウナ、スパ、ジム――「自分を整える」ためのすべてが、ワンフロアで完結する。この設計思想こそ、フォーシーズンズホテル大阪の核心だと感じます。
ジャルダンで過ごす季節の午後と、粉の香りを連れて帰るペストリーブティック

このホテルの社交の中心が、ラウンジ「ジャルダン」です。フランス語で「庭」を意味する名前の通り、都市の空中にありながら、どこか庭園の東屋のような寛ぎに満ちた空間。ここで供される季節のアフタヌーンティーは、開業以来、大阪の午後の楽しみの定番になりつつあります。
旬のフルーツを主役に、パティシエの技巧が重なるスイーツとセイボリーの段々。夕暮れどきには、季節のカクテルやモクテルのシリーズが登場することもあり、昼から夜へ、表情を変えながら一日に寄り添ってくれます。その時々のテーマや提供内容は公式サイトでご確認ください。ジャルダンのアフタヌーンティーの魅力については、いずれ稿を改めて、じっくりご紹介するつもりです。

「ファリーヌ」は、フランス語で「小麦粉」を意味するペストリーブティック。ショーケースに並ぶケーキやクロワッサンなどの焼き菓子は、ホテルメイドの丁寧な仕事そのものです。バターの香りをまとった名物のスイーツを片手に、堂島の街を歩くのもいい。大切な人への手土産に、美しい箱を提げて帰るのもいい。
ホテルの美食を、いちばん気軽に持ち帰れる場所。近くを訪れたら、宿泊の予定がなくても立ち寄る価値があります。
鮨 ラビスと江南春と、最上階のバー|光の海を見下ろす夜の食卓

ダイニングの筆頭に挙げたいのが、「鮨 ラビス 大阪」です。フランス料理界の巨匠ヤニック・アレノの美学と、鮨職人の技が交差する「ラビス」の名を冠したこのレストランでは、おまかせのコースを軸に、日本酒や地ビールとの組み合わせを愉しむ趣向も用意されています。
鮨でありながら、どこかフレンチの構築性を感じさせる一貫。カウンターの緊張感と高層階の静けさが溶け合う夜は、大阪の美食シーンの「今」を象徴する体験になるはずです。

中国料理を求めるなら、「江南春(ジャンナンチュン)」へ。季節ごとのコースメニューが組まれ、旬の食材を丁寧に仕立てた品々を、落ち着いた空間で味わえます。
大阪という街は、言わずと知れた食の都。その新しいラグジュアリーホテルで供される中国料理が、どんな洗練をまとっているのか――それを確かめること自体が、この街の美食巡りのひとつの楽しみになりそうです。

ホテルの最上階・37階は、天井を高くとったレストランフロア。その一角にあるバー「ボタ」からの眺望は、開業時のプレスリリースでも「格別」と紹介されたほどです。タワーの頂に近い高さから見下ろす大阪の夜景は、光の海と呼ぶほかありません。
一日の終わり、グラスの中の氷が鳴る音と、眼下に瞬く街の灯り。ここまで紹介してきた湯とスパの「静」の時間に対して、このバーは滞在に「艶」を添えてくれる場所です。
水で目覚めるか畳でお茶を淹れるか、朝の過ごし方

このホテルの朝には、ふたつの過ごし方があります。ひとつは、人の少ない時間の36階へ上がること。朝の光が差し込むプールにゆっくりと身体を浮かべ、湯で温まってから一日を始めると、旅の朝はまるで別のものになります。もうひとつは、GENSUIに滞在しているなら、専用ティーサロン「SABO」で迎える朝。畳のフロアの続きにあるサロンで、日本茶とともにいただく朝食は、このフロアだけに許された時間です。
朝食の会場やプランの内容は時期によって変わる可能性があるため、公式サイトでご確認のうえ、宿泊予約の際に朝食付きプランを検討してみてください。空の上の朝を、どう始めるか。それを選べること自体が、このホテルの贅沢です。
過ごし方|オフィス街の静かな夜を、味方にする

フォーシーズンズホテル大阪の立地は、絶妙という言葉がよく似合います。梅田・大阪駅から徒歩10分ほど。ショッピングもグルメも至近でありながら、堂島はオフィス街ゆえに、夜は驚くほど静か。中之島方面へ歩けば、美術館やギャラリーの点在するアートの水辺が待っています。一方で、ここはビーチや広大な庭園を抱く「籠るためのリゾート」ではありません。街へ出て、遊んで、食べて、静かな空の上の部屋に帰ってくる——そんな都市の滞在にこそ向いた一軒です。
にぎやかな大阪を遊び尽くす日も、静かな大阪を味わう日も、同じ部屋に帰ってこられる。京都・神戸・奈良への足回りも良く、関西周遊の起点としても申し分ありません。読者投票型のランキングで日本のホテルの上位に選ばれるなど、開業からわずかの間に国内外の評価を集めているのも、頷ける話です。
旅の日程が決まったら|GENSUIの指名と、席の先約を

空の上の旅館で自分に還る滞在を選ぶなら、予約の起点はフロアです。畳の客室とSABOの時間を目当てに指名される特別フロアGENSUIは、わずか21室。眺望で選ぶならコーナールームやスイートの指定も、候補の日が見えた時点で決めておくのが安心です。
実務としてひとつ。貸切風呂、ザ・スパのトリートメント、ジャルダンのアフタヌーンティー、鮨 ラビスのカウンターは、いずれも席数の限られた体験です。どこで宿泊を予約しても、これらはホテルへ直接、宿泊予約と同じタイミングで確保しておくと滞在の輪郭が一気に決まります。
予約は、楽天トラベル・一休・Yahoo!トラベルを横に並べて総額で見比べるのが確実です。同じ客室でも、掲載されるプランと総額が違ってくるためです。
- 楽天トラベルは楽天ポイントを貯めて使える
- 一休は上質な宿に絞った掲載とタイムセール(編集部おすすめ)
- Yahoo!トラベルはPayPayとの連携が持ち味
畳のGENSUIは21室だけ。記念日と連休から埋まっていきます。天空のプールで目覚め、畳の上でお茶を淹れる朝を思い描いたなら、新幹線の予約と一緒に、このONE DOJIMAの一室を一休で先に押さえてしまいましょう。

結び|空の上の旅館で、自分に還る

フォーシーズンズホテル大阪の魅力を突き詰めると、「最先端の超高層タワーの中に、最も日本的な休息がある」という一点に行き着きます。畳の上で味わう日本茶、湯とサウナ、貸切風呂、そして何もせず水に浮かぶ午後。帆を張るタワーの上層で流れているのは、驚くほど静かで、深い時間です。
遠くへ行くことではなく、深く休むこと。そして、自分に還ること。水都・大阪の新しいアイコンは、その答えをすでに用意して待っています。次の休日の行き先は、もう見えているのではないでしょうか。
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アクセス|フォーシーズンズホテル大阪
各線が乗り入れる梅田・大阪駅から、ホテルまでは歩いて10分ほど。地下鉄やJR東西線の複数の駅からもアクセスしやすく、キタの中心にいながら、堂島の落ち着いた街並みの中に位置しています。
関西国際空港や大阪国際空港(伊丹)からは、リムジンバスや電車で梅田方面へ向かうルートが便利です。京都・神戸・奈良など近隣都市への日帰りにも適した立地なので、関西を巡る旅の拠点としても計画しやすいはずです。
基本情報|フォーシーズンズホテル大阪
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | フォーシーズンズホテル大阪 |
| 所在地 | 大阪府大阪市北区堂島2丁目4番32号 |
| 電話 | 06-6676-8682 |
| 開業 | 2024年8月1日 |
| 客室数 | 175室(うち特別フロアGENSUI(玄水)21室・28〜37階) |
| ダイニング | 鮨 ラビス 大阪/ジャルダン/江南春/ファリーヌ/バー・ボタ ほか |
| ウェルネス | 屋内プール(16メートル)/温浴施設(お風呂・サウナ・貸切風呂)/ザ・スパ(トリートメントルーム5室)/フィットネスセンター(24時間)※いずれも36階 |
| 特別フロア | GENSUI(玄水)=28階・全室畳敷き・専用ティーサロンSABO |
※館内施設・客室・ダイニング等の情報は、ホテル公式サイトおよび公式発表に基づきます(2026年9月時点)。料金・営業時間・イベント開催日程は変更となる場合があるため、最新情報は公式サイトをご確認ください。

