昭和8年の学び舎で目覚めて、誰もいない産寧坂を歩く朝。
清水寺へ向かう参道の賑わいから、ふと一本、脇へ。石垣に導かれて坂を折れると、スパニッシュ瓦の屋根とアーチ窓を持つ、昭和の面影をまとった建物が現れます。
1933(昭和8)年に建てられた元京都市立清水小学校——2011年までこの地で子どもたちを見守ってきた校舎が「記憶を刻み、未来へつなぐ」を掲げ、2020年3月、ザ・ホテル青龍 京都清水として生まれ変わりました。約7,000㎡の敷地にわずか48室という贅沢な構成で、玄関に立てば、中庭の向こうに八坂の塔が迎えてくれます。
世界遺産・清水寺にもっとも近いラグジュアリーホテル——公式サイトがそう謳う立地と、日本中の誰もが持つ「学校の記憶」に触れる懐かしさ。このヘリテージホテルの魅力を、公式情報と滞在した人々の声をもとに、ひとつずつ紐解いていきます。
懐かしさと絶景、その両方を持つ宿

真新しいラグジュアリーホテルにはない「懐かしさ」が、このホテルの通奏低音です。階段の手すりに触れ、長い廊下を歩き、講堂で朝食をとる。誰の中にもある学校の記憶が、京都の絶景と重なり合う滞在は、ここでしか味わえません。
そしてもうひとつが、立地そのものの希少性です。八坂の塔まで徒歩1分という場所に泊まれること。日中は観光客で埋め尽くされる石畳を、朝と夜には自分たちだけのものにできること。ノスタルジーと絶景、そのどちらか一方ではなく両方を求める旅にこそ、この学び舎は応えてくれます。
清水寺徒歩8分、八坂の塔徒歩1分という核心部
![法観寺[八坂塔]](https://www.timeless-travel.jp/wp-content/uploads/2025/09/area-kyoto-146.jpg)
ホテルは東山の山腹、清水寺の参道である松原通に面しています。清水寺まで歩いて8分ほど、八坂の塔(法観寺)へはわずか1分、産寧坂・二寧坂の石畳もすぐそこ。京都観光でもっとも人が集まるエリアの、まさに核心部です。
けれど敷地に一歩入れば、参道の喧騒が嘘のように遠のきます。日中は部屋やラウンジから観光の波を眺め、人の引いた早朝と夜に、静まり返った産寧坂を独り占めして歩く。滞在した人々の声にも「夜の石畳の散歩は泊まった人だけの特典」という趣旨の讃辞が繰り返され、この立地の使い方こそがこのホテルの醍醐味だと教えてくれます。
学校の記憶を、そのまま泊まれる場所に

館内を歩くと、そこかしこで「学校」に出会います。友だちと駆け上がった階段、授業中に眺めた窓、講堂、外壁にうっすら残る丸時計の跡。当時としては画期的だった鉄筋コンクリート造に洋風の意匠を重ねた校舎は、建築としても高く評価されてきた存在で、その特徴を保存・活用しながらホテルとしての快適性が織り込まれています。
明治2年に地域の人々の手で開かれた番組小学校の系譜を継ぐ校舎でもあります。京都の人々が自らの手で学び舎をつくった歴史の上に、いまの滞在がある。建物を残すだけでなく、その記憶ごと未来へ渡そうとする姿勢が、館内の隅々に息づいています。
教室の記憶か新しい静けさか、ふたつの棟から選ぶ客室

客室は48室・15タイプ。元校舎を改修した既存棟の客室は、クラシカルな梁や白壁を引き立てる引き算の設え。新たに建てられた増築棟は、京都の伝統的な要素をアクセントにしたモダンな空間です。
かつて教室だった場所で眠るか、新しい静けさの中で過ごすか。同じホテルの中に、性格の異なるふたつの滞在が用意されています。約7,000㎡の敷地にわずか48室という余白の取り方が、この規模ならではの静けさを支えています。
湯に浸かりながら八坂の塔を正面に望む、最上位の一室

最上位のパノラミックスイートでは、ベッドルームとバスルームの両方から八坂の塔を正面に望み、リビングの2面窓には京都タワーまでの街並みが広がります。湯に浸かりながら塔を眺める——京都でこの体験ができる部屋は、ごく限られています。
ノスタルジーと絶景、そのどちらで部屋を選ぶかも、このホテルらしい愉しみです。記念日や大切な人との旅なら、迷わずこの一室を。夕暮れから夜へ、塔に灯りがともるまでの時間を、部屋から独占できます。

全宿泊者に開かれた、八坂の塔を望むゲストラウンジ

このホテルの滞在の質を決定づけているのが、全客室の宿泊者が利用できるゲストラウンジです。窓の外に八坂の塔を間近に望むリュクスな空間で、挽きたてのコーヒーや京都の銘菓、地酒などとともに、思い思いの時間を過ごせます。
滞在した人々の声でも、ラウンジのサービスと雰囲気への評価は際立って高く、「クラブフロア限定」ではなく全員に開かれていることが、このホテルの価格に対する満足度を大きく押し上げています。チェックイン後のひと息から、観光の合間の休憩、夜の一杯まで、滞在の起点になる場所です。
本に囲まれて目覚めの膳をいただく、元講堂の朝食

朝食の舞台は、元講堂を改修した「レストラン ライブラリー ザ・ホテル青龍」。1,100冊の書籍が並ぶ図書館のような空間で、Well-beingをテーマにメインを選べるブッフェスタイルの朝食が待っています。
かつて子どもたちが集った講堂で、本に囲まれて始める一日。高い天井に朝の光が満ちる時間は、この滞在でもっとも「学び舎に泊まっている」実感が湧く瞬間かもしれません。早起きして誰もいない産寧坂を歩き、清水寺を参ってから戻る朝食が、このホテルの黄金の過ごし方です。
夜は鮨のカウンターへ、別棟にはビストロの灯り

夜には、同じ空間が旬の食材を一貫ずつ握る「SUSHI-BAR @library」に姿を変え、宿泊者以外も利用できます。朝は本と光、夜は鮨とカウンター。ひとつの部屋が時間帯で表情を変えるのも、この建物の記憶の重ね方らしいところです。
敷地内の別棟には、アラン・デュカスのエスプリを受け継ぐ「ブノワ 京都」。和の外観に赤いソファの映える内装という日仏の融合空間で、旬を取り入れたモダンなビストロ料理を楽しめます。ランチの目的地としても、東山散策と組み合わせたい一軒です。
ライトアップの塔と夜景を見晴らす、屋上のバー

このホテルの名を京都の夜に轟かせているのが、最上階の「K36」です。元教室を改修した室内のメインバー「K36 The Bar」は、日本を代表するバーテンダー・西田稔氏監修のオーセンティックバー。そして屋上の「K36 Rooftop」では、ライトアップされた八坂の塔と京都市街の夜景が360度に広がります。
宿泊者以外にも開かれた人気のバーですが、宿泊ゲストは事前予約ができるという特権つき。東山に日が沈み、塔に灯りがともる時間帯を特等席で迎えるために、このホテルを選ぶ価値があります。
舞妓の舞から茶道まで、学び舎で触れる本物の文化

ホテルでは、宿泊者向けの文化イベントが定期的に催されています。宮川町の舞妓による舞の披露と撮影会、専門講師と向き合う茶道体験、箏の師範による生演奏と体験。かつての学び舎が、いまは大人が京都の文化を学ぶ場になっている——この符合も、このホテルの物語の一部です。
さらに、清水寺の僧侶が案内人となり、通常非公開のエリアを含めて特別拝観できる宿泊者限定アクティビティも。「清水寺にもっとも近いホテル」だからこそ叶う、観光の一歩先の体験です。開催日程は時期により異なるため、公式サイトでご確認ください。
旅の日程が決まったら

ザ・ホテル青龍 京都清水は、ホテル系クレジットカードの特典対象ではありません。予約の入り口は公式サイトから。八坂の塔を望む部屋を狙うなら、日程が決まった時点で部屋タイプから押さえるのが確実です。
宿泊予約は、使い慣れた予約サイトの経済圏で選ぶのも賢い方法です。
- 楽天トラベルは楽天ポイントを貯めて使える
- 一休は上質な宿に絞った掲載とタイムセール(編集部おすすめ)
- Yahoo!トラベルはPayPayとの連携が持ち味
公式サイトの条件とあわせて、三つを横に並べて総額で見比べてみてください。
K36のルーフトップは宿泊者が事前予約できる特権があるため、チェックイン前に日没時刻を確認して席を確保しておくのがおすすめ。なお館内に駐車場はなく、宿泊者向けの提携駐車場を事前予約で利用する形になるため、車での訪問は予約時に相談を。
文化体験イベントを組み込むなら、開催日から日程を逆算するのも一案です。全48室に対して指名の需要は絶えず、桜と紅葉の東山は一晩で埋まります。日程が固まったら、その日のうちに。

結び|懐かしさと絶景の学び舎で

階段の手すりに触れ、長い廊下を歩き、講堂で朝食をとる。誰の中にもある学校の記憶が、京都の絶景と重なり合う滞在は、ここでしか味わえません。
朝は誰もいない産寧坂を歩いて清水寺へ、午後は八坂の塔を望むラウンジで、夜はK36のルーフトップで京都の灯りを見下ろす。記憶を受け継いだ学び舎で過ごす一泊が、あなた自身の京都の記憶になるはずです。次の京都の滞在先、答えはもう見えているのではないでしょうか。

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アクセス|ザ・ホテル青龍 京都清水
京都駅から市バス206系統で「清水道」下車、徒歩4分ほど。タクシーなら京都駅から15分前後です。京阪「祇園四条」駅や阪急「京都河原町」駅からも市バス207系統で「清水道」へ。清水寺へ徒歩8分、八坂の塔へ徒歩1分、二寧坂・産寧坂・高台寺と、東山観光の名所すべてが徒歩圏に収まります。館内に駐車場はないため、車の場合は事前予約制の提携駐車場を利用する形になります。
基本情報|ザ・ホテル青龍 京都清水

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | ザ・ホテル青龍 京都清水(The Hotel Seiryu Kyoto Kiyomizu) |
| 所在地 | 京都府京都市東山区清水二丁目204-2 |
| 開業日 | 2020年3月22日(元清水小学校校舎を保存活用) |
| 客室数 | 全48室・15タイプ |
| 主な施設 | ゲストラウンジ(全宿泊者利用可)、レストラン ライブラリー(朝食/SUSHI-BAR @library)、ブノワ 京都、K36 The Bar & Rooftop、文化体験イベント |
| チェックイン/チェックアウト | 15:00/12:00 |
| 駐車場 | なし(宿泊者向け提携駐車場あり・事前予約制) |
※館内施設・客室・ダイニング・イベント等の情報は、ホテル公式サイトおよび公式発表に基づきます(2026年7月時点)。料金・営業時間・イベントの開催内容は変更となる場合があるため、最新情報は公式サイトをご確認ください。
