北アルプスを湯船の縁に、飛騨の森で迎える朝。
高山駅から無料のシャトルバスに揺られて8分ほど。古い町並の賑わいが遠のき、窓いっぱいに森の緑が広がります。1994年開業のホテルアソシア高山リゾートが、2026年9月14日、岐阜県初のヒルトンとして生まれ変わる、ヒルトン高山リゾート。運営は変わらずJR東海ホテルズ、客室は全283室(開業時は約90室から段階的に拡大)です。
――町を歩いた日の夜は、森の中で誰にも急かされずに湯に浸かり、北アルプスに朝日が差すのをベッドの上で待つ。そんな滞在を高山で叶えてくれる一軒を、開業に先立ち公式に発表されている情報をもとに、ひとつずつ紐解いていきます。
しかもこの一軒は、私が利用している、ヒルトンをいつでも25%OFFで予約できる会員プログラム・HPCJの対象ホテルでもあります。後半では、この森の一泊の宿泊料金がいつでも25%OFFになる方法もご紹介します。
町歩きの余韻を、森の静けさに預ける

高山の旅がしんどくなるのは、たいてい二日目の朝です。古い町並も朝市も宮川沿いも、歩いて回るからこそ楽しい町。ただ、その一日の疲れを町なかの宿でそのまま抱えて眠ると、翌朝の身体がなかなか目を覚ましてくれません。
ヒルトン高山リゾートは、その疲れを町から少し離れた森へ持ち帰るための宿です。駅からシャトルバスで8分ほど、町の中心部から車で10分前後という距離は、観光の便利さを損なわずに、夜だけ静けさの側へ渡るのにちょうどよい遠さ。しかもそこには北アルプスを望む温泉があります。
町なかの便利さか、郊外の静けさか。高山の宿選びでいつも天秤にかけていたふたつを、どちらも諦めなくてよくなる。それがこの一軒を選ぶいちばんの理由になるはずです。
ホテルアソシア高山リゾートから、ヒルトン高山リゾートへ

「アソシア高山はどうなったのか」と検索する方のために、まず名称の整理から。ヒルトン高山リゾートは、JR東海グループが1994年7月に開業したホテルアソシア高山リゾート(総客室数290室)を、ヒルトンとの提携によってリブランドしたホテルです。2025年6月11日にJR東海、ジェイアール東海不動産、JR東海ホテルズ、ヒルトンの4者が発表しました。
土地と建物の所有はジェイアール東海不動産、運営はこれまでどおりJR東海ホテルズ。つまり、30年にわたって高山でホテルを営んできた同じ人たちが、ヒルトン・ホテルズ&リゾーツというフラッグシップブランドの看板を掲げて迎えてくれる、という関係です。JR東海グループにとって初めての外資系ホテルブランド導入でもあります。
アソシアとしての営業は2026年5月中旬で終え、改装のための休館を経て9月14日に開業。旧名称でのご予約や会員制度については、JR東海ホテルズの案内をご確認ください。
駅からシャトルで8分、手ぶらで森へ向かえる
飛騨高山は、名古屋から特急ひだで2時間半ほど。駅に降り立った瞬間から旅は始まっているのに、荷物を抱えてホテルへ向かう時間だけが、どうにも旅らしくありません。
ヒルトン高山リゾートは、JR高山駅とホテルを結ぶ無料シャトルバスを運行します。所要は約8分。運営会社の発表によれば、リブランドにあわせて増便と大型車両の導入を予定しており、旧ホテル時代より乗りやすくなるとのこと。さらに宿泊者は、高山駅東口(乗鞍口)側1階のiCAFE TAKAYAMAでホテルまでの荷物キャリーサービスを無料で利用できると案内されています。
駅で荷物を預け、身軽なまま古い町並へ歩き出し、夕方にシャトルで森へ帰る。鉄道会社が運営するホテルらしい、駅を起点にした旅の組み立てが最初から設計されているわけです。車の方も、館内には200台分の無料駐車場が用意されています。
祭屋台と手筒花火が迎える、山の民の芸術

リブランド後の館内を貫くコンセプトは「Art of Mountain Folk」。高山の自然と、人の手が生み出してきた造形からインスピレーションを得たもので、客室と共用部のインテリアデザインは橋本夕紀夫デザインスタジオが手がけています。
その象徴がロビーです。テーマは「高山の祭」。絢爛な高山祭の祭屋台と、火の粉が舞い上がる手筒花火を主なモチーフに、その色彩と躍動感を現代的に再構成したと発表されています。落ち着いた山のロッジを想像して扉を開けると、最初に迎えるのは祭の熱気のほう、というわけです。
森のリゾートに祭の造形を持ち込む。その意外性のなかに、伝統を静かに飾るのではなく、高山の人々が受け継いできたエネルギーそのものを空間にしようという意図が読み取れます。
飛騨刺し子と飛騨家具に囲まれて、高山のロッジで眠る

客室は10タイプ・全283室。中心となるのは35㎡のゲストルームと46㎡のデラックスルームで、ゲストルームにはキング・ツインのほか和室(10室)が、デラックスルームにはトリプルと和洋室(20室)が用意されます。35㎡・46㎡それぞれにエグゼクティブルームが設けられ、4階のエグゼクティブラウンジへの入口になります。
デザインのコンセプトは「高山のロッジ」。飛騨刺し子をモチーフにしたアクセントクロスと、開業当時から使われてきた飛騨家具を活かした空間だと発表されています。新しく塗り替えるのではなく、1994年から高山にあった家具を引き継ぐ。その選択が、開業直後のホテルに特有の落ち着かなさを和らげてくれるはずです。
2026年9月14日の開業時点で宿泊できるのは約90室で、改装工事の進捗にあわせて順次増えていきます。全283室が揃うのは2027年春の予定。それまでは予約できる客室タイプと室数が限られますので、希望のタイプがある方は早めに公式サイトで空室を確認してください。
NEO民藝という言葉で語られる、5室だけのスイート

スイートは5室。70㎡のジャパニーズスイート(和室)が1室、70㎡のデラックススイート(キング)が2室、そして今回のリブランドで新設された90㎡のプレミアムスイート(ツイン)が2室です。
スイートのデザインコンセプトは「NEO民藝」。家具やアートワークに高山の民藝が宿す美しさを表現したと発表されています。民藝という言葉が示すのは、名もなき職人の手仕事に宿る用の美。それをリゾートのスイートに置くとき、豪奢さではなく、木の手触りと静かな光のほうが主役になるのだと思います。
5室のうち和室のスイートは1室だけ。畳の上で足を伸ばし、森を眺めながら過ごす70㎡は、高山で最も予約の取りづらい部屋になる気がします。

北アルプスを眺めながら、4階のラウンジで一日を締めくくる

リブランドで新設されるのが、4階のエグゼクティブラウンジです。利用できるのは、エグゼクティブルームまたはスイートルームの宿泊者と、ヒルトン・オナーズのダイヤモンド会員。ここでのチェックイン・チェックアウト、朝食、アフタヌーンティー、イブニングカクテルといったサービスが発表されています。
空間のデザインは、高山の伝統的な木の接合技術である継手をモチーフにしたもの。椅子には岐阜県産材の飛騨家具が使われ、窓の向こうには北アルプスの山並みが広がります。町歩きから戻って、夕暮れの山を眺めながらグラスを傾ける時間は、この宿でしか手に入らない種類の贅沢です。
エグゼクティブルームは35㎡が20室、46㎡が8室。開業直後は稼働客室が限られるため、ラウンジ付きの滞在を望む方は、対象客室の販売状況を予約時に確認しておくと安心です。ダイヤモンド会員の方には、後半でご紹介するカードの話がここにつながってきます。
湯船の縁から、北アルプスの稜線を眺める

旅の宿に温泉があるかどうかは、疲れの抜け方を決めます。ヒルトン高山リゾートには、旧ホテル時代から受け継がれた温泉棟「天望の湯 温泉テラス」があります。公式サイトによれば、インフィニティバスを含む10種類の露天風呂と2種類の内湯。晴れた日には湯に浸かりながら北アルプスを眺められる、とあります。
露天風呂とサウナを備えた屋内外の天然温泉に加え、予約制の個室温泉が4室用意されることも発表されています。家族や友人と、あるいはひとりで、誰にも気を遣わずに山を眺める45分。町なかの宿では望めない過ごし方です。
温泉テラスは宿泊者以外の日帰り利用も可能と案内されています。宿泊者にとっては、チェックイン前やチェックアウト後の使い方が広がる意味があります。利用時間や料金は変動しうるため、最新の情報は公式サイトでご確認ください。
夜も午後も、森を出ない理由が四つある

森の宿の弱点は、夕食のたびに町へ出るかどうかで悩むこと。ヒルトン高山リゾートは、その悩みを館内の4つの会場で解いています。
ダイニングルーム「ヴィスタス」は、大きな窓から北アルプスの山並みを眺めるメインダイニング。種類豊富なビュッフェと、フレンチのコースが用意されます。日本料理「和氣(わき)」は、飛騨高山の山の幸と北陸・日本海の海の幸を合わせた店で、宮川の流れから着想を得た落ち着いた空間にバーカウンターを併設し、地元の酒蔵の銘酒とともに味わえます。
鉄板焼「岳(がく)」は14席。A5等級の飛騨牛をはじめとする地元食材を、シェフが目の前で焼き上げます。高山市のワイナリーと協働したホテルオリジナルの白ワインも用意されるとのこと。
午後はラウンジ&バー「シーナリー」で、紅茶と季節のケーキやアフタヌーンティーを。夜はバーエリアに移り、飛騨山椒を使ったジントニックや、ヒルトン発祥のピニャコラーダをアレンジした「フローズン・飛騨コラーダ」といったシグネチャーカクテルが待っています。
飛騨牛は町で食べるものと決めていた方も、森に帰ってから鉄板の前に座る夜を一度試してみてほしいところです。
山に朝日が差すのを、湯上がりのままテーブルで待つ

高山の朝は、朝市に間に合うかどうかで気持ちが急ぎがちです。けれどこの宿では、朝の順番を少し入れ替えてみてください。まず天望の湯で北アルプスに光が差すのを眺め、それから朝食へ。
朝食は、運営会社の発表ではダイニングルーム「ヴィスタス」と日本料理「和氣」の2会場で提供される予定です。ビュッフェと日本料理の朝を選べるかたちですが、開業前の情報のため、会場や提供形式は開業後の公式案内でご確認ください。エグゼクティブルームやスイートに滞在する場合は、4階のラウンジで山を眺めながらの朝食という選択肢もあります。
1階には宿泊者が24時間使えるフィットネスセンターも新設されます。湯と山と朝食で整えた身体を、朝市へ向かうシャトルバスに乗せるまでが、この宿の朝の設計です。朝を大切にしたい方は、宿泊予約の際に朝食付きプランを検討してみてください。
開業直後の森で、どう過ごすか
まず、2027年春までは改装工事が続き、予約できる客室が限られること。館内の一部で工事の気配を感じる時期があることは、開業直後の宿として織り込んでおくのが賢明です。
次に立地。駅からシャトルバスで8分、町の中心部から4kmほどの森の中にあり、徒歩で古い町並へ出る宿ではありません。空港送迎もなく、遠方からは鉄道か車が前提です。そのぶん、車の方には無料駐車場と有料の電気自動車用充電設備が用意されています。ペットの同伴はできません。
一方で、家族連れには向いた宿です。1階にはキッズコーナーとカラオケルーム、ギフトショップ「and T」が用意され、ヒルトン高山オリジナルの日本酒やカレーが並ぶと発表されています。13歳以上は大人料金、6歳以上のお子様の添い寝は食事料金が別途かかるという公式の案内がありますので、予約時に人数構成をご確認ください。
町を歩き倒す旅ではなく、森で深く休む旅。開業直後の不便を承知のうえで、その過ごし方を選べる方に、この秋の高山はいちばん優しいはずです。
旅の日程が決まったら|HPCJでいつでも25%OFF

HPCJ(ヒルトン・プレミアムクラブ・ジャパン)は、日本国内のヒルトングループ対象ホテルで使える有料の会員プログラムで、宿泊料金が25%OFFになる「HPCJ会員限定割引プラン」を季節を問わずいつでも予約できます。開業まもないヒルトン高山リゾートも、すでにその対象ホテルに加わっています(割引プランの利用は会員本人名義の一室のみ)。
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もうひとつの鍵が、ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス・カードです。カードを持つだけでゴールドステータスが付与され、HPCJの年会費優遇も受けられます。プレミアムカードなら、年間200万円以上の決済でダイヤモンドステータスへ。あの4階のラウンジで北アルプスを眺める夕暮れが、カードの使い方次第で手の届くものになります。
会員プログラムには入らず、今回の一泊を総額で選びたい場合は、予約プラットフォームの使い分けが効いてきます。同じ客室でも、掲載されるプランと総額が違ってくるためです。
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普段お使いのポイント経済圏に合わせるのがいちばん無駄がありません。会員ランクや開催中のセールによって還元も変わりますので、三つを横に並べて総額で見比べるのが確実です。
席の確保も早めに。鉄板焼「岳」は14席、個室温泉は4室の予約制です。開業時点の客室は約90室、しかもスイートは5室、和室のスイートは1室だけ。開業直後の秋は紅葉と重なり、最初の客の席は発表と同時に動いていきます。日程が固まったら、その日のうちに。
結び|遠くへ行くことではなく、深く休むこと

高山は、歩くほどに好きになる町です。だからこそ、その一日の終わりをどこで受け止めるかで、旅の記憶は変わります。町の灯りを背にして森へ戻り、北アルプスを眺めながら湯に浸かり、翌朝は山に光が差すのを待ってから朝食へ。ヒルトン高山リゾートが用意しているのは、観光の便利さと森の静けさを、どちらも手放さない一泊です。
30年にわたって高山でこの森を守ってきた人たちが、ヒルトンの看板を掲げて迎える最初の秋。改装途中の不便さも含めて、生まれ変わる瞬間に立ち会える時間は長くありません。遠くへ行くことではなく、深く休むこと。次の休日の答えは、もう見えているのではないでしょうか。

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アクセス|ヒルトン高山リゾート
JR高山駅からは無料シャトルバスで約8分。名古屋からは特急ひだで高山駅まで2時間半前後が目安です。運行時刻は変動するため、到着列車にあわせて事前に公式サイトの時刻表をご確認ください。宿泊者は高山駅東口(乗鞍口)側1階のiCAFE TAKAYAMAで荷物のキャリーサービスを無料で利用できます。
車の場合は、館内に200台分の無料駐車場があり、電気自動車用の充電設備(有料)も用意されています。空港送迎はありません。中部国際空港からは約206km、富山からは約110kmの距離です。
基本情報|ヒルトン高山リゾート
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | ヒルトン高山リゾート(Hilton Takayama Resort) |
| 所在地 | 岐阜県高山市越後町1134 |
| 電話 | 0577-36-0001 |
| 開業 | 2026年9月14日(リブランド開業。前身は1994年7月開業のホテルアソシア高山リゾート) |
| ブランド | ヒルトン・ホテルズ&リゾーツ(岐阜県初) |
| 客室 | 全283室・10タイプ(ゲストルーム35㎡・デラックスルーム46㎡・スイート70〜90㎡の5室)。開業時は約90室で営業開始、2027年春に全室稼働予定 |
| チェックイン/チェックアウト | 15:00/12:00(開業前の公式表記のため要確認) |
| 温泉 | 天望の湯 温泉テラス(露天風呂10種・内湯2種・インフィニティバス・サウナ・個室温泉4室は予約制・日帰り利用可) |
| エグゼクティブラウンジ | 4階。エグゼクティブルーム・スイート宿泊者、ヒルトン・オナーズのダイヤモンド会員が利用可 |
| フィットネス | 1階・宿泊者は24時間利用可 |
| レストラン | ダイニングルーム「ヴィスタス」/日本料理「和氣」/鉄板焼「岳」/ラウンジ&バー「シーナリー」 |
| 館内施設 | ギフトショップ「and T」・キッズコーナー・カラオケルーム・宴会場「神楽」ほか |
| 駐車場 | 無料・200台・電気自動車用充電設備あり(有料) |
| アクセス | JR高山駅から無料シャトルバス約8分・空港送迎なし |
| ペット | 同伴不可 |
| お子様 | 13歳以上は大人料金。6歳以上の添い寝は食事料金が別途 |
| インテリアデザイン | 橋本夕紀夫デザインスタジオ |
| 所有/運営 | ジェイアール東海不動産/JR東海ホテルズ |
※本記事は開業に先立ち、ホテル公式サイトおよび公式発表(プレスリリース)に基づいて構成しています(2026年8月時点)。施設内容・サービス・開業日程は変更となる場合があるため、最新情報は公式サイトをご確認ください。

