東京タワーと海。ふたつの絶景に抱かれる、芝浦の高層階。
浜松町の駅を出て、水辺へ向かって歩くこと数分。大規模複合開発「BLUE FRONT SHIBAURA」のタワーに吸い込まれ、エレベーターが高層階に着くと、西の窓には東京タワー、東の窓には東京湾が待っています。
フェアモント東京は、2025年7月1日、このタワーの35階から43階に開業した全217室のホテル。ニューヨークの「ザ プラザ」、ロンドンの「ザ サボイ」を擁し、世界に95以上を展開する名門フェアモントの、日本初上陸です。
都心の躍動と水辺の静けさ、そのどちらも自分のものにする——そんな滞在を叶えてくれる一軒を、私が実際にロビーラウンジ「Vue Mer」のアフタヌーンティーを訪れて感じた空気に、公式情報に基づく施設のご紹介を重ねながら、ひとつずつ紐解いていきます。
タワーの東京と、海の東京|ふたつの絶景をひとつの滞在で

東京タワーと東京湾。東京を象徴するふたつの風景を、一度の滞在で両方手に入れられる場所は、実はほとんどありません。山手線の内側からは海が遠く、湾岸からはタワーが遠い。その矛盾を解いたのが、芝浦という答えでした。
西の窓の煌めくスカイラインは「がんばる東京」、東の窓の海と空は「ほどける東京」。都心の躍動と水辺の静けさが、35階から43階の空中で響き合います。どちらの東京と過ごすかを、その日の気分で選べること。それがこのホテルを選ぶ、いちばんの理由です。
芝浦という再発見|海運の街がウォーターフロントの主役へ

フェアモント東京が立つ芝浦は、かつて海運と漁業で栄えた東京の水辺です。長らく「通過する街」だったこのエリアが、BLUE FRONT SHIBAURAの誕生で一変しました。浜松町・大門から歩ける都心立地でありながら、目の前には運河と東京湾。都市と海の結節点という、東京でも稀有なポジションです。
ホテルの各所には、この土地の歴史への敬意が織り込まれています。漁業の街だった芝浦に鮨を、海運の街に世界の美食を。立地の物語ごと味わえるホテルです。
1907年から続く名門が描く、日本の新章

フェアモント ホテル&リゾートは、1907年の創業以来、その土地の歴史や文化と深く結びついたホテルづくりで知られてきました。世界に95以上を展開する名門の日本一号店が、このフェアモント東京です。
館内のインテリアには、織物や金継ぎなど日本の伝統技法をモダンに解釈したアートやテキスタイルがふんだんに。世界基準のラグジュアリーに日本の手仕事が編み込まれた空間は、開業からまもないとは思えない落ち着きをすでにまとっています。
街と海、どちらの窓辺で眠るかを選ぶ客室

客室は29のスイートを含む全217室。もっとも標準的な部屋でも52平米という、都心では破格のゆとりです。高層階の窓の外に広がるのは、東京タワー側の煌めくスカイラインか、東京湾側の穏やかな水景か。予約の瞬間から、どちらの東京と眠るかという贅沢な迷いが始まります。

インテリアには日本の手仕事の気配が息づき、広さと眺望、そのどちらにも妥協がありません。街の灯りとともに眠るか、海の気配とともに目覚めるか。窓辺の選択が、滞在の物語を決めていきます。
縁側の思想が息づく、スイートの頂

最上級には152平米の「ザ・ビュー スイート」から278平米のプレジデンシャルスイートまで、多彩なスイートが揃います。日本家屋の縁側に着想を得た構造を持つスイートもあり、随所に「日本のフェアモント」らしい設計思想が息づいています。
内と外、街と海のあいだに柔らかな中間領域を設けるという縁側の知恵は、タワーの高層階でこそ新鮮に響きます。特別な日の滞在なら、この設計思想ごと味わえるスイートを選ぶ贅沢も一興です。

「ホテルの中のホテル」に泊まる、フェアモントゴールド

このホテルの滞在を語るうえで外せないのが、「フェアモントゴールド」の存在です。41・42階の対象客室とスイートの宿泊者だけが使える専用ラウンジ「フェアモントゴールド ラウンジ」では、東京湾の大パノラマとともに、朝食、リフレッシュメント、アフタヌーンティー、イブニングカクテル、ナイトスナックという5つのひと時が一日を彩ります。
朝から夜まで、ラウンジが滞在の母港になる過ごし方。その詳しい魅力は、クラブラウンジをテーマにした特集で改めて掘り下げる予定です。
東京タワーと泳ぐ、インフィニティプールとスパ

35階のウェルネスフロアには、全長20メートルの屋内インフィニティプールが広がります。視線の先に飛び込んでくるのは、東京タワー。夕暮れから夜へ、空の色とともにタワーの表情が移ろうプールサイドは、このホテルでしか撮れない一枚が生まれる場所です。屋外にはリラクゼーションプールとサンデッキ、ミストとドライのサウナ、24時間利用できるジムも。
フェアモントスパでは、庭園を望むトリートメントルームで、心身に寄り添うウェルネスジャーニーが待っています。利用条件や営業時間は公式サイトでご確認ください。
フレンチと和のふたつを仕立てる、Vue Merのアフタヌーンティー

ロビーラウンジ「Vue Mer(ビュメール)」は、フランスと日本、それぞれのラウンジ文化を融合させた空間です。東京湾を望むテラスを備え、吹き抜けの開放感のなかで供されるのが、このホテルの看板・アフタヌーンティー。フレンチの伝統に連なる繊細な一段と、和の感性で仕立てた一段、ふたつの世界が用意されています。
実際に体験して印象的だったのは、その「絵画のような佇まい」と、テラスから届く海の気配でした。皿の上の美しさだけでなく、空間ごと味わうアフタヌーンティー。詳しい体験の記録は、こちらの記事に綴っています。
フェアモント東京のアフタヌーンティー|35階〈ビュメール〉、メロンと日本茶が織りなす初夏のフレンチ

薪窯の炎が主役になる、海風のブラッスリー

35階のオールデイダイニング「Kiln & Tonic(キルン&トニック)」の主役は、薪窯の炎です。食材の魅力を引き出す炎から、シグネチャーのアクアパッツァや薪焼きピザ、旬の野菜が次々と生まれます。3種のオリジナルトニックウォーターを使ったクラフトカクテルという遊び心も。
東京タワーを望む屋外テラスは、この店の特等席です。ランチからディナー、シャンパン付きのサンデーブランチまで、滞在の食の中心を担ってくれます。
鮨と鉄板焼から洋食の再発明まで、美食の階層

36階には、静謐なカウンターがふたつ。鮨「みぎわ」は、漁業で栄えた芝浦の歴史に敬意を込めた、伝統と現代が響き合う鮨。鉄板焼「燈辻(とつじ)」は、厳選和牛を味わえるだけでなく、お気に入りの和牛をキープできる「ミートキープ」という粋なサービスが話題です。
そして43階の「DRIFTWOOD(ドリフトウッド)」は、ハンバーグやオムライスといった日本の洋食文化を、九谷焼の名門・鏑木商舗の器とともにエレガントに再構築するスペシャリティレストラン。懐かしさと新しさが同居する食体験は、記念日の夜にこそふさわしい選択です。
流木のように漂って、最上階のバーから音の聖域へ

夜のフェアモント東京の主役は、最上階に広がる「DRIFTWOOD(ドリフトウッド)」です。流木という名の通り、バーからテラス、バーテンダーズラボまでを、その日の気分のままに漂うように行き来できる空間。中心となる「DRIFTWOOD BAR」では、世界の都市と日本のエッセンスを結ぶカクテルを、炭火で香ばしく焼き上げるグリル料理とともに。窓の外では、東京タワーの灯りが夜を照らします。

そして奥に潜むのが、隠れ家レコードバー「OFF RECORD(オフレコード)」。音が聖域となる、と公式が表現する通り、レコードの温もりに包まれて一杯と音楽に深く浸る大人の空間です。賑わいのバーで乾杯し、夜が更けたら音の聖域へ流れ着く——ラグジュアリーホテルの夜が、こんなに自由でいいのかと嬉しくなる構成です。
薪窯の朝かラウンジの朝か、選べる目覚め

フェアモント東京の朝は、「Kiln & Tonic」から始まります。地中海と南カリフォルニアの海岸を思わせるブラッスリーで、朝の光とともにいただく一皿。東京タワーを望む屋外テラスが使える朝なら、水辺の空気ごと味わう朝食になります。
フェアモントゴールドの滞在なら、専用ラウンジで東京湾を眺めながらの朝食という選択肢も。タワー側の朝か、海側の朝か。目覚めの景色まで選べるのが、このホテルらしい贅沢です。朝食の提供内容や時間は、公式サイトでご確認ください。朝を大切にしたい方は、宿泊予約の際に朝食付きプランを検討してみてください。
芝浦での過ごし方|生まれたての街と、水辺の時間

ひとつ、正直にお伝えしておくと、芝浦は銀座や六本木のような繁華街ではありません。夜の街歩きや華やかなショッピングを滞在の主役に据えたい方には、物足りなく感じる時間帯もあるかもしれません。けれどこの街の魅力は、まさにその「まだ完成していない静けさ」にあります。
緑道や芝生広場が整備されたBLUE FRONT SHIBAURAの足元、運河沿いの散歩道。浜松町方面へ歩けば旧芝離宮恩賜庭園や増上寺、東京タワーの麓まで徒歩圏です。観光名所を巡る東京ではなく、水辺の暮らしに混ざる東京。開業からまだ日の浅いこのエリアの「今」を歩けるのは、いま泊まる人だけの特権です。
旅の日程が決まったら|窓辺と午後の席を、先に

滞在の日程が決まったら、まず決めたいのは窓の向きです。東京タワー側か、東京湾側か。眺望はこのホテルの体験の核心だからこそ、希望がある場合は予約時の指定が安心です。一日をラウンジとともに過ごしたいなら、フェアモントゴールドの客室を選ぶという「ホテルの中のホテル」への扉もあります。
あわせて、Vue Merのアフタヌーンティーや、みぎわ・燈辻のカウンター席は、宿泊とは別に早めの予約を。日本初上陸から注目を集める一軒だけに、週末や連休は早めの計画が賢明です。
フェアモント東京は、ホテル系クレジットカードの特典対象ではありません。予約の入り口は公式サイトから。アコーの会員プログラム「ALL – Accor Live Limitless」に入会しておけば、ポイントと会員特典の対象になります。
宿泊予約は、使い慣れた予約サイトの経済圏で選ぶのも賢い方法です。
- 楽天トラベルは楽天ポイントを貯めて使える
- 一休は上質な宿に絞った掲載とタイムセール(編集部おすすめ)
- Yahoo!トラベルはPayPayとの連携が持ち味
公式サイトの条件とあわせて、三つを横に並べて総額で見比べてみてください。日本初上陸の注目は続いており、タワービューの週末から埋まっていきます。日程が固まったら、その日のうちに。

結び|街と海のあいだで、深呼吸を

フェアモント東京の窓辺で過ごしていると、東京という街の見え方が少し変わります。西の窓のタワーと摩天楼は「がんばる東京」、東の窓の海と空は「ほどける東京」。そのどちらもが本物で、どちらも自分のものにしていい。この当たり前のことを、35階の静けさが思い出させてくれます。
Vue Merのアフタヌーンティーで午後をほどき、薪窯の夕食を味わい、東京タワーと泳ぎ、鏡の奥のバーで一日を締めくくる。次の東京ステイで欲しいのがこの振り幅なら、答えはもう見えているのではないでしょうか。

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アクセス|フェアモント東京
フェアモント東京は、東京都港区芝浦のBLUE FRONT SHIBAURA・TOWER S内。客室とダイニングは35階から43階の高層部に広がります。JR浜松町駅南口から徒歩6分ほど、ゆりかもめ・日の出駅からも徒歩10分ほどと歩ける距離にあり、羽田空港からのアクセスも良好なウォーターフロントです。
モノレールの起点・浜松町を最寄りとするため、空の旅との相性は抜群。東京駅・品川駅からもタクシーで短時間の距離です。詳細な道順は公式サイトのアクセス案内をご確認ください。
基本情報|フェアモント東京

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | フェアモント東京 |
| 所在地 | 東京都港区芝浦1-1-1(BLUE FRONT SHIBAURA TOWER S・35〜43階) |
| 開業 | 2025年7月1日(フェアモント日本初上陸) |
| 客室 | 全217室(スイート29室含む・標準52㎡〜) |
| クラブラウンジ | フェアモントゴールド ラウンジ(対象客室・スイート宿泊者。朝食〜ナイトスナックの5つのひと時) |
| ダイニング | Kiln & Tonic、Vue Mer(アフタヌーンティー)、鮨 みぎわ、鉄板焼 燈辻、DRIFTWOOD、Yoi to Yoi、OFF RECORD |
| ウェルネス | フェアモントスパ、屋内インフィニティプール(20m・東京タワービュー)、屋外リラクゼーションプール、サウナ、ジム(24時間) |
| ブランド | フェアモント ホテル&リゾート(アコー/ALL対象) |
※アフタヌーンティーに関する記述は、筆者が実際に体験した際の内容にもとづきます。その他の館内施設・客室・ダイニング等の情報は、ホテル公式サイトおよび公式発表に基づきます(2026年8月時点)。料金・営業時間・メニュー内容は変更となる場合があるため、最新情報は公式サイトをご確認ください。

