森のなかの17棟。誰にも会わないまま、数日が過ぎていく。
恩納村の海沿いを走る国道58号線から、少しだけ山側へ。琉球王国の時代に築かれた山田城跡、ヤマダグスクの森へと分け入るように進むと、木々のあいだに低く連なる屋根が見えてきます。ここには、大きなホテル棟もロビーの喧騒もありません。あるのは、森の中に点在する17棟のヴィラと、鳥の声、そして夜になれば頭上いっぱいに広がる星空だけです。
ホーム・ステイ・ユミハ 沖縄 by バンヤン・グループ。アジアを代表するホスピタリティグループ、バンヤン・グループが展開する「HOMM(ホーム)」ブランドの日本1号店として、2023年6月に誕生したスモールラグジュアリーです。その名の通り、コンセプトの中心にあるのは「我が家のような心地よさ」。リゾートの華やぎではなく、暮らしの延長にある贅沢を追求した宿です。
全17棟はすべて完全独立型で、プライベートプールまたは屋外ジャグジーを完備。食事はヴィラに届けられ、チェックインからチェックアウトまで、極端にいえば一歩も外に出ずに過ごせてしまう設計になっています。都市の明かりから離れたこの場所では、時間の流れそのものが、少しゆっくりになる気がします。
HOMM日本1号店|バンヤン・グループが描く「我が家」のかたち

バンヤンツリーで知られるバンヤン・グループ(旧バンヤンツリー・グループ)は、アジア発のラグジュアリーホスピタリティを牽引してきた存在です。そのグループが「信頼できるサービスと、スタイリッシュな空間を、カジュアルな親しみやすさとともに」という思想で立ち上げたのがHOMMブランド。ユミハ沖縄は、その日本初進出の地として恩納村を選びました。
ブランドが掲げる「センス・オブ・ホーム」という基準は、この宿のすべてに通底しています。かしこまったサービスではなく、ほどよい距離感の温かさ。作り込まれた非日常ではなく、自然の中に静かに置かれた日常の延長。バンヤンの系譜にありながら、肩の力が抜けた滞在ができるのは、このブランド思想ゆえです。ちなみにグループは施設ごとに絶滅危惧種のマスコットを定めており、ユミハ沖縄のシンボルは沖縄の海の象徴、ジュゴン。そんな遊び心にも、ブランドの体温が表れています。
ヤマダグスクの森|城跡に抱かれる、土地の記憶

この宿の立地には、物語があります。ヴィラが点在するのは、琉球時代の城跡であるヤマダグスク(山田城跡)の森。かつて人々が石を積み、時代を見つめてきた土地に、いま17棟の小さな「家」が静かに置かれています。
グスクの森は、リゾート開発で整えられた緑ではなく、この土地が長い時間をかけて育ててきた緑です。朝は鳥のさえずりと木漏れ日で目覚め、昼はやんばるへ続く風が吹き抜け、夜は森の暗さが星の輝きを際立たせる。滞在した人々の声には、夜にホタルと出会えたという報告さえあります。自然と共に暮らす、というこの宿のコンセプトは、比喩ではなく文字通りの体験として用意されています。
全17棟の完全独立型ヴィラ|いちばん小さな部屋でも129平米

客室は3タイプ、全17棟。いずれも隣と壁を接しない完全独立型のヴィラで、驚くべきはそのスケールです。もっともコンパクトなタイプでも、テラスを含めて129平米。屋内だけで63平米という広さは、都市ホテルのスイートに匹敵します。
すべてのヴィラにリビング・ダイニングとツインベッドルーム、テラス、屋外ジャグジーが備わり、洗濯機や電子レンジ、空気清浄機まで完備。ホテルの一室というより、家具と設備の整った「沖縄の家」を数日間借りる感覚に近いかもしれません。ヴィラによっては畳の部屋もあり、ごろりと横になれる和の余白が、この宿の「我が家」らしさをさらに深めてくれます。
ユミハ・プール・ヴィラ|189平米の頂点

最上位のユミハ・プール・ヴィラは、189平米という圧巻の広さ。専用プールと屋外ジャグジー、テラス、畳部屋までを一棟に収めた、この宿の思想の完成形です。プールサイドからそのままリビングへ、濡れた足のまま行き来できる自由は、プライベートヴィラでしか味わえません。
昼はプールに浮かんで木々の梢を眺め、夕暮れはジャグジーで空の色の移ろいを追い、夜は誰の目も気にせず星空の下で泳ぐ。ひとつの水辺が、時間帯ごとにまったく違う表情を見せてくれます。特別な記念日の滞在なら、迷わずこのヴィラを選びたいところです。
ガーデン・プール・ヴィラとガーデンヴィラ|森に開かれた選択肢

ガーデン・プール・ヴィラは129平米に専用プールとジャグジーを備えたタイプ。ユミハ・プール・ヴィラよりコンパクトながら、プライベートプールの贅沢はそのままに、森との距離がぐっと近づきます。

いっぽうのガーデンヴィラは、プールを持たない代わりに屋外ジャグジーが主役のタイプ。リゾートプールが敷地内にあるため、泳ぐ楽しみはそちらに預けて、ヴィラでは湯に浸かりながら森の音に耳を澄ます。旅の目的とスタイルに合わせて水辺のかたちを選べるのは、3タイプ構成ならではです。いずれのヴィラも1棟最大4名まで宿泊でき、家族や友人同士の滞在にも応えます。
プライベートな水辺と、宿泊者専用のリゾートプール

ヴィラの水辺に加えて、敷地には宿泊者専用のリゾートプールも用意されています。サンラウンジャーとパラソルが並ぶメインプールは、ヴィラごもりの合間に外の空気を吸いに出る場所としてちょうどいい距離感。17棟だけの宿ですから、混雑という概念とはほぼ無縁です。
プールで体を動かし、ジャグジーでほぐし、テラスで乾かす。この小さな循環を一日に何度も繰り返すうち、体のこわばりと一緒に、頭の中の予定表もほどけていくはずです。
琉球モーニングボックス|お重で届く、沖縄の朝

朝食は、この宿を象徴する体験のひとつです。沖縄産の旬の食材をふんだんに使った「琉球モーニングボックス」が、ヴィラまで届けられます。日本らしいお重のスタイルに、地元の野菜や海の幸、郷土の味が小鉢で美しく収められ、蓋を開ける瞬間から旅の一皿が始まります。
内容は日替わりで、連泊しても毎朝新しい発見があるのがうれしいところ。沖縄スタイルと西洋式から選べるので、滞在中に両方を試すのもおすすめです。誰にも急かされない自分たちだけの食卓で、テラスの光とともに味わう朝。ビュッフェ会場の活気とは対極にある、静かで豊かな朝食体験です。
インヴィラ・ディナー|あぐー豚のしゃぶしゃぶを、ふたりだけの食卓で

夕食もまた、ヴィラの中で完結します。主役は沖縄が誇るブランド豚、あぐーのしゃぶしゃぶ。とろけるような脂の甘みを、南国の夜の静けさに包まれながら、自分たちのペースで味わえます。
レストランの営業時間にも、ドレスコードにも縛られない夜。湯気の向こうに森の闇と星空がある食卓は、この宿でしか組み立てられない時間です。プールで遊び疲れた子どもを寝かしつけてから、大人だけでゆっくり鍋を囲む、という自由さも部屋食ならでは。滞在した人々の声でも、この夕食は満足度の高い体験として繰り返し語られています。
暮らすように泊まる|洗濯機と電子レンジが意味するもの

全棟に洗濯機と電子レンジが備わっている、という事実は、この宿の性格をよく表しています。水着やタオルをその日のうちに洗える。子どもの食事や夜食を温め直せる。旅の荷物と気がかりを、設備が静かに引き受けてくれるのです。
これは連泊の旅、子連れの旅、そして「観光を詰め込まない旅」への最適化にほかなりません。ホテルに泊まりに行くのではなく、数日だけ沖縄の森に暮らしに行く。HOMMというブランド名が示す滞在のかたちが、設備のひとつひとつに落とし込まれています。
雨の日も、手の中に沖縄を|琉球ガラスとシーサーの体験

館内では、琉球ガラスを使ったアクセサリーやフォトフレーム作り、沖縄の守り神シーサーの絵付けといったワークショップが開かれています。いずれも屋内でゆっくり取り組める体験なので、天気が崩れた日の受け皿としても心強い存在です。
色鮮やかなガラスを選び、自分だけのデザインでシーサーに彩りを重ねる時間は、子どもから大人まで楽しめます。旅の終わりに手元に残る小さな作品は、写真とは違う手触りの記憶になるはずです。予約はフロントへ気軽に相談を。
真栄田岬まで車で5分|青の洞窟を庭にする立地

森の隠れ家でありながら、この宿の立地は観光の要衝でもあります。ダイビングとシュノーケリングの聖地、青の洞窟で知られる真栄田岬までは車でわずか5分ほど。朝いちばんの海に潜って、午前のうちにヴィラへ戻る、という贅沢な動線が組めます。
象の鼻の断崖で知られる万座毛や、琉球文化を体験できる琉球村など、恩納村の見どころへも軽やかに届く距離感。恩納村の入口側に位置するため、本島各方面への移動も現実的です。ヴィラごもりと沖縄観光、どちらの比重も自分たちで自由に決められる立地といえます。
この宿に向く滞在|静けさを求める大人にも、小さな旅人にも

ホーム・ステイ・ユミハ 沖縄の懐の深さは、客層を選ばないところにあります。完全独立型のヴィラと部屋食という構成は、人目を気にせず過ごしたい大人のふたり旅に理想的である一方、周囲への気兼ねなく子どもを遊ばせたい家族にとっても心強い設計です。ヴィラの中とテラスのプールだけで一日が完結するため、小さな子ども連れの滞在では「移動しなくていい」こと自体が最大の贅沢になります。
一方で、館内にレストランやバーの華やぎを求める旅、大型リゾートのアクティビティを期待する旅には向きません。この宿が差し出すのは、森と、水辺と、届けられる食事と、たっぷりの余白。それを最高のごちそうだと感じられる人にこそ、深く応えてくれる宿です。
旅の日程が決まったら|17棟のうちの、どれで過ごすか

この宿の予約でいちばん大きな分岐は、ヴィラの指名です。プライベートプールが付くのはユミハ・プール・ヴィラとガーデン・プール・ヴィラのふたつで、189平米の頂点に立つユミハを選ぶか、129平米で森に開かれたガーデン・プール・ヴィラにするか。プールを求めないならガーデンヴィラという選択もあります。1棟あたり最大4名ですので、人数と、水辺の有無から先に決めるのが早道です。
食事とワークショップも、あわせて手配しておきたいところ。お重で届く琉球モーニングボックスも、あぐー豚のしゃぶしゃぶの夕食も、ヴィラのなかで供される仕組みですが、プランによって扱いが変わります。琉球ガラスやシーサーの絵付け体験を旅程に組み込むなら、こちらも予約時に相談を。チェックインは午後3時、チェックアウトは午前11時です。

今回の滞在を総額で選ぶのであれば、予約プラットフォームの使い分けが効いてきます。同じ客室でも、楽天トラベル・一休・Yahoo!トラベルでは掲載されるプランと総額が違ってくるためです。
- 楽天トラベルは楽天ポイントを貯めて使える
- 一休は上質な宿に絞った掲載とタイムセール
- Yahoo!トラベルはPayPayとの連携が持ち味
普段お使いのポイント経済圏に合わせるのがいちばん無駄がありません。会員ランクや開催中のセールによって還元も変わりますので、三つを横に並べて総額で見比べるのが確実です。
わずか17棟ですから、プール付きのヴィラは連休や夏休みの日程から先に埋まっていきます。日程が固まったら、その日のうちに。
結び|森の中の「我が家」で、自分の時間を取り戻す

旅先で本当に贅沢なのは、豪華な設えよりも「誰にも合わせなくていい時間」なのかもしれません。ホーム・ステイ・ユミハ 沖縄には、チェックインの列も、朝食会場の時計も、プールサイドの場所取りもありません。あるのは、グスクの森の静けさと、自分たちのリズムだけで流れる数日間です。
星空の下のジャグジー、お重の蓋を開ける朝、あぐーの湯気が上がる夜。そのすべてが、17棟だけの小さな森の中で完結します。遠くへ行くことではなく、深く休むこと。次の沖縄でそれを叶えるなら、答えはもう見えているのではないでしょうか。

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アクセス|那覇空港から、山田の森へ
那覇空港からは車で約60分。恩納村の南側の入口にあたる山田エリアに位置し、国道58号線から山側へ入った先の森の中にヴィラが点在します。敷地には無料の駐車場が18台分用意されているので、レンタカーの旅と相性のよい宿です。
観光の拠点性も高く、真栄田岬へ車で約5分、万座毛や琉球村といった恩納村の見どころにも気軽に足を延ばせます。宿で深く休む日と、青の洞窟や絶景を巡る日。緩急のあるスケジュールを組みやすい立地です。
基本情報|ホーム・ステイ・ユミハ 沖縄 by バンヤン・グループ

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | ホーム・ステイ・ユミハ 沖縄 by バンヤン・グループ(Homm Stay Yumiha Okinawa) |
| 所在地 | 沖縄県国頭郡恩納村字山田2455-1 |
| 開業 | 2023年6月(HOMMブランド日本1号店) |
| 客室 | 全17棟(完全独立型ヴィラ・3タイプ・1棟最大4名) |
| 客室タイプ | ユミハ・プール・ヴィラ(189平米)/ガーデン・プール・ヴィラ(129平米)/ガーデンヴィラ(129平米)※いずれもテラス含む |
| チェックイン | 15:00 |
| チェックアウト | 11:00 |
| 主な施設 | リゾートプール(宿泊者専用)、全棟屋外ジャグジー、ワークショップ(琉球ガラス・シーサー絵付け) |
| 食事 | 朝食「琉球モーニングボックス」・夕食あぐー豚しゃぶしゃぶ(いずれもヴィラ内提供・プランによる) |
| 喫煙 | 全室禁煙 |
| 駐車場 | 無料(18台) |
| アクセス | 那覇空港から車で約60分/真栄田岬へ車で約5分 |
※館内施設・客室・ダイニング等の情報は、ホテル公式サイトおよび公式発表に基づきます(2026年7月時点)。料金・営業時間・サービス内容は変更となる場合があるため、最新情報は公式サイトをご確認ください。

