東京タワーの麓、賑わいで迎えるアマンの姉妹。
神谷町の駅を出て、ゆるやかな坂道を上っていくと、ガラスと緑が折り重なる街並みの向こうに、東京タワーの朱色がふいに現れます。約30年の歳月をかけて生まれた「都市の中の都市」、麻布台ヒルズ。その中央広場を見下ろす一角に佇むジャヌ東京は、世界中の旅人を魅了してきたアマンの姉妹ブランド「ジャヌ」が2024年3月13日、世界で初めて形にしたホテルです。
東京タワーを望む全122の客室、8つのレストラン&バー、そして都内ホテル最大級・約4,000平方メートルのウェルネス。サンスクリット語で「魂」を意味するその名の通り、人と人、人と街をつなぐ仕掛けが館内の隅々に息づいています。
バルコニーで東京タワーと朝を迎え、ライブキッチンの熱気に心が弾み、賑わいの中で魂が満ちていく——そんな滞在を叶えてくれる一軒を、公式情報と滞在した人々の声をもとに、ひとつずつ紐解いていきます。
アマンとジャヌ|静寂の姉妹が選んだ「つながり」という答え

「ジャヌ東京 アマン」と検索する方が少なくないように、このホテルの出自を知ることは、滞在の解像度を大きく上げてくれます。サンスクリット語で「平和」を意味するアマンが、プライベートで静謐なサンクチュアリを追求してきたのに対し、「魂」を意味するジャヌが掲げるのは、活気に満ちたエネルギー、遊び心、そして人と人との「つながり」。
同じDNAを受け継ぎながら、まったく対照的な世界観を描く姉妹なのです。エントランスをくぐれば、ロビーの奥から聞こえる食器の音、ラウンジの笑い声、大きな窓から差し込む午後の光。静けさではなく、心地よい賑わいで迎えるのがジャヌの流儀です。
だからジャヌ東京のパブリックスペースは、驚くほど開かれています。8つのレストラン&バーはビジターも歓迎し、テラス席は麻布台ヒルズの中庭へとつながっていく。一方で、サービスの細やかさ、素材とデザインへの妥協のなさは、紛れもなくアマングループの血筋。静けさに癒される日もあれば、賑わいの中で心が満ちる日もある。その後者のための場所が、ようやく東京に生まれたのです。
麻布台ヒルズ|「都市の中の都市」にただひとつのホテル

ジャヌ東京を語るとき、麻布台ヒルズという街の物語を切り離すことはできません。緑あふれる中央広場を囲むように、オフィス、レジデンス、ギャラリー、マーケットが有機的につながるこの街は、「緑に包まれ、人と人をつなぐ広場のような街」という構想のもとに生まれました。そしてジャヌ東京は、この壮大な開発における唯一のホテルとして、レジデンスAタワーの中に迎え入れられています。
朝、客室のバルコニーから広場を眺め、昼はギャラリーやブティックを巡り、夕暮れには東京タワーが灯る瞬間を待つ。ホテルの外に出ても、そこはまだ「街」というひとつの作品の中。この一体感こそ、麻布台ヒルズに滞在する醍醐味です。しかも神谷町駅と六本木一丁目駅、ふたつの地下鉄駅に挟まれた立地は、東京観光の拠点としても申し分ありません。
デザインが会話を弾ませる、光あふれる館内

ジャヌ東京の設計を手掛けたのは、先見的なビジョンで知られるペリ クラーク&パートナーズ。そしてインテリアを託されたのが、数々のアマンを手掛けてきたデニストン設計事務所のジャン=ミシェル・ギャシー氏です。ラグジュアリーホテルの世界で最も信頼される名前のひとつが、ジャヌという新しい物語の最初の一筆を担いました。
館内に足を踏み入れてまず感じるのは、光の豊かさです。大きな開口部から自然光がふんだんに差し込み、コンテンポラリーなデザインとタイムレスな日本の美意識が、押し付けがましくなく調和している。ホテルは静かであるべきだ、という固定観念を、この空間はやさしく裏切ります。デザインが人を緊張させるのではなく、会話を弾ませるためにある。ギャシー氏がジャヌのために選んだのは、そんな都会の温度でした。
バルコニーの先に東京タワーと暮らす、客室の時間

ジャヌ東京の客室は、全122室。デラックスルームからジャヌスイートまで10のカテゴリーが揃い、そのいずれもが、自然光に包まれる明るさと、日本のミニマリズムとヨーロッパのエレガンスが融合したデザインを共有しています。
そして多くの客室に備わるのが、プライベートバルコニーです。都心のホテルでバルコニーに出られること自体が贅沢ですが、その先に広がるのが麻布台ヒルズの緑と東京のスカイライン、そして間近にそびえる東京タワーだとしたら。朝のコーヒーを外の空気とともに味わい、夜はライトアップされた鉄塔を独り占めする。コネクティングルームも充実しているため、カップルの記念日にも、三世代の東京旅にも、122の部屋はそれぞれの物語の器になってくれるはずです。
しばらく住まうように過ごす、スイートの頂

スイートカテゴリーは、ジュニアスイートからホテル最大のジャヌスイートまで、多彩な階調で用意されています。床から天井まで広がる窓から二面の眺望を楽しめるコーナースイート、その名の通り東京タワーと向き合うタワービュースイート。いずれも独立したリビングルームとゆとりあるバスルームを備え、「泊まる」というより「しばらく住まう」ための空間です。
頂点に立つジャヌスイートは、レジデンシャルスタイルの快適さを極めた一室。ベッドルームから独立したリビング、ゲスト用のトイレ、そしてふたつの広々としたプライベートバルコニーから、象徴的な東京タワーとスカイラインを望みます。公式サイトによれば、コネクティングによって最大519平方メートルという規模まで広がるスイートの構成も可能とのこと。大切な日をどの部屋で迎えるか。その選択から、すでに旅は始まっています。

都内最大級の広さでつながる、ソーシャルウェルネス

ジャヌ東京を他のラグジュアリーホテルと決定的に分かつもの。それが、都内ホテル最大級となる約4,000平方メートルのウェルネス施設「ジャヌ ウェルネス」です。ジム、5つのムーブメントスタジオ、屋内のラッププールとラウンジプール、そしてスパハウスまでを擁するこの空間は、もはや「ホテルの付帯施設」という言葉では収まりません。
ジャヌが掲げるのは「ソーシャルウェルネス」という思想です。ひとりで黙々と汗を流すだけでなく、スピニングバイクやボクシング、エアリアルヨガといったグループクラスを通じて、人とのつながりの中で心と身体を整えていく。屋内のラッププールで身体を目覚めさせたら、ラウンジプールのほとりで一冊の本と過ごす午後を。運動と休息、そのどちらもが美しく設えられた空間で完結する贅沢が、ここにはあります。
バーニャとハマムに委ねる、深い午後のスパハウス

ジャヌ ウェルネスの奥に据えられたふたつのスパハウスは、このホテルの静かなるハイライトです。ロシア発祥のバーニャと、トルコの伝統に連なるハマム。ふたつのサウナ文化を現代的に昇華させた空間で、本格的なサウナトリートメントが心と身体をゆっくりと解きほぐしていきます。熱と蒸気、そして静寂。賑わいを愛するジャヌが、あえて用意した深い没入の時間です。
嬉しいのは、この体験が宿泊者だけのものではないことです。会員制の「ウェルネスコレクティブ」に加え、2〜4時間で完結するスパハウスのデイエクスペリエンスという扉も開かれています。詳細な料金やプログラムは変動するため公式サイトでの確認をおすすめしますが、この規模のウェルネスを日常に組み込めるという事実そのものが、麻布台という街の新しい価値なのだと思います。
ライブキッチンの熱気が灯す、市場とグリルの食卓

ジャヌ東京の心臓部は、間違いなくダイニングです。館内には8つのレストラン&バーが揃い、そのいずれもがライブ感を大切にした空間。イタリアの市場に着想を得たオールデイダイニング「ジャヌ メルカート」では、目の前で打たれる生パスタや旬の食材の一皿が、活気ある朝市のような躍動感とともに供されます。中庭に面したテラス席には愛犬も同伴できるという、ジャヌらしい開かれた設計も嬉しいところです。
「ジャヌ グリル」では、和牛をはじめ世界各地から厳選された肉やシーフードのグリル料理を、躍動感あふれるオープンキッチンを間近に。ふたつの大きなワインセラーを擁し、アペリティフから食後の一杯まで流れるように過ごせる専用バーも備えています。料理人の手元から立ちのぼる香りと音までがごちそうになる。それが、この2つのダイニングの共通言語です。
北京ダックとナチュラルワインの、思いがけない誘惑

広東料理の技法で中国各地の伝統料理をアップデートするのが、コンテンポラリーチャイニーズ「虎景軒(フージン)」です。シグネチャーの北京ダックをはじめ、海鮮料理や点心の数々に、豊富に揃うナチュラルワインを合わせるという新鮮な提案が、このレストランの真骨頂。中国料理とワインの思いがけない相性に、きっと会話も弾むはずです。
2名から10名まで使える個室も用意されているため、親しい方々との集いや、大切な会食の舞台としても頼れる存在。女友達との少し贅沢なランチにも、記念日のディナーにも寄り添ってくれます。
炭火のカウンターと江戸前の再解釈、和の系譜

和の系譜も見事です。江戸前鮨の伝統を再解釈した鮨割烹「飯倉」では、シェフが仕入れた海の恵みと旬の食材による四季折々の一皿を。カウンターでのおまかせに加え、テーブル席でアラカルトも楽しめる懐の深さが、鮨の敷居をやさしく下げてくれます。
そして13席のカウンターだけで構成される「SUMI」は、伝統的な炭火焼きをコンテンポラリーに昇華させたおまかせコースを、東京タワーを望む景色とともに味わう特等席です。炭火の香りと移ろう夜景。一度の滞在では巡りきれない。それもまた、再訪の理由になります。

東京タワーと過ごす、ラウンジのアフタヌーンティー

ジャヌ東京の名を一躍広めたのが、「ジャヌ ラウンジ&ガーデンテラス」のアフタヌーンティーです。高い天井と大きな窓の向こうに東京タワーを望むこの空間で、焼きたてのケーキやタルト、季節のスイーツが、美しい所作とともに運ばれてきます。
紅茶を監修するのは、ティーブレンダーの内田智子氏。ジャヌのために特別に仕立てられたブレンドティーが、スイーツの物語に寄り添います。ご希望に応じてシャンパンのフリーフローを添えられるのも、祝祭の日にはたまらない演出です。日が暮れてからのイブニングハイティーという選択肢もあり、東京タワーが灯る時間帯を狙うのも素敵な過ごし方でしょう。メニューは季節ごとに表情を変えていくため、旬のテーマは公式サイトでご確認ください。このアフタヌーンティーの世界については、いずれ稿を改めて、じっくりと紐解きたいと思っています。
大理石の空間で出会う、一皿の芸術のパティスリー

麻布台ヒルズを訪れる人々の間で、静かな巡礼地になりつつあるのが「ジャヌ パティスリー」です。大理石のエレガントな空間に、ペストリーシェフによる繊細で美しいペストリーや焼き菓子、季節の生菓子が並びます。ヴィーガンやグルテンフリーに対応したケーキも揃うのは、ウェルネスを掲げるジャヌならではの心配りです。
イートインスペースでは、特製のパフェやケーキを、紅茶やコーヒー、時にはカクテルとともに。テイクアウトもできるので、大切な方への手土産や、記念日のケーキを探しに立ち寄るのも良いでしょう。予約なしで訪れることができるため、宿泊の前に、まずここでジャヌの世界に触れてみるのも一興です。
一杯のグラスに東京を閉じ込める、夜のバー

日暮れとともに訪れたいのが「ジャヌ バー」です。監修を務めるのは、日本を代表するミクソロジストの南雲主于三氏。ミクソロジーの技を尽くして東京の街の魅力を表現したカクテルの数々が、この店の主役です。
一杯のグラスの中に、街の記憶や情景が閉じ込められている。そんなカクテルを、熟練のバーテンダーとの会話とともに味わう夜は、東京という都市への解像度を確かに変えてくれるはずです。予約なしでも扉を開けられる気軽さも、「つながり」を大切にするジャヌらしいところ。麻布台の夜は、思いのほか深く、豊かです。
バルコニーの珈琲から朝市の食卓へ、朝の過ごし方

このホテルの朝には、いくつもの入口があります。バルコニーに出て、朝の空気とともに東京タワーと向き合うコーヒーの時間。ラッププールでひと泳ぎして、身体の輪郭を目覚めさせる時間。麻布台ヒルズの中央広場を、人通りの少ないうちに散歩するのも心地よい始まりです。
そして朝の食卓へ。「ジャヌ メルカート」の朝市のような活気に身を置けば、一日の助走は完璧です。朝食の会場や提供内容、時間は変更となる場合があるため、最新の情報は公式サイトでご確認のうえ、宿泊予約の際に朝食付きプランを検討してみてください。
ジャヌでの過ごし方|賑わいを選ぶ日の宿

パブリックスペースはビジターにも開かれ、ラウンジには語らいの声が、ダイニングにはライブキッチンの熱気が満ちています。誰にも会わず、物音ひとつない聖域と活気に満ちた空間で過ごしたい日には、合うかもしれません。
その賑わいと静寂こそがジャヌの処方箋です。ひとりで訪れても、街の気配と人の温度が孤独を心地よい距離に保ってくれる。友人や家族と訪れれば、会話が自然と弾む空間が待っている。静けさが欲しくなったら、スパハウスの熱と蒸気へ、あるいはバルコニーの東京タワーのもとへ。賑わいと静寂を、自分の気分で行き来できる懐の深さが、この宿の本当の贅沢です。
旅の日程が決まったら|タワービューと、カウンターの先約

滞在の日程が決まったら、まず考えたいのは窓の向こうです。タワービューの客室やバルコニー付きのカテゴリーなど、ジャヌ東京は眺望で選ぶ楽しみに満ちています。東京タワーと向き合う夜を確実にしたいなら、予約時のカテゴリー指定が安心です。
あわせて、食の席の確保も早めに。13席だけの「SUMI」、カウンターが主役の「飯倉」、個室が人気の「虎景軒」は、宿泊とは別に予約を済ませておきたいところです。アフタヌーンティーやスパハウスのトリートメント、デイエクスペリエンスも同様に、事前の予約で滞在の輪郭が定まります。
ジャヌ東京は、ホテル系クレジットカードの特典対象ではありません。予約の入り口は公式サイトから。
宿泊予約は、使い慣れた予約サイトの経済圏で選ぶのも賢い方法です。
- 楽天トラベルは楽天ポイントを貯めて使える
- 一休は上質な宿に絞った掲載とタイムセール(編集部おすすめ)
- Yahoo!トラベルはPayPayとの連携が持ち味
公式サイトの条件とあわせて、三つを横に並べて総額で見比べてみてください。世界初のジャヌを目指す旅人は多く、タワービューの週末から埋まっていきます。日程が固まったら、その日のうちに。

結び|賑わいの中で、魂が満ちていく

静寂だけが、ラグジュアリーの答えではない。ジャヌ東京が教えてくれるのは、そんなシンプルな真実です。
朝はバルコニーで東京タワーと向き合い、昼は約4,000平方メートルのウェルネスで身体を目覚めさせ、午後はラウンジのアフタヌーンティーで語らい、夜はライブキッチンの熱気とカクテルの物語に身を委ねる。そのすべての場面に、人の気配と心地よい賑わいがあります。アマンの静寂を知る人にも、これから最高の東京ステイを探す人にも、ここには新しい発見があるはずです。
麻布台ヒルズという街が育っていくのと同じ速度で、このホテルもまた、東京の新しい記憶を紡ぎ始めています。次の特別な日、その物語の登場人物になるのはあなたかもしれません。答えはもう、見えているのではないでしょうか。

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アクセス|ジャヌ東京
ジャヌ東京は、麻布台ヒルズのレジデンスAタワー内に位置しています。東京メトロ日比谷線の神谷町駅、南北線の六本木一丁目駅のいずれからも徒歩圏で、麻布台ヒルズの街区を抜けながらのアプローチは、それ自体がひとつの散策になります。
空港からは、羽田空港からおよそ30分、成田空港からおよそ1時間30分が目安。東京駅からも15〜20分ほどと、新幹線での東京入りにも便利な立地です。車で向かう場合はバレーサービスの案内となるため、事前にホテルへ確認しておくと安心です。
基本情報|ジャヌ東京
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | ジャヌ東京(Janu Tokyo) |
| 所在地 | 東京都港区麻布台1-2-2 麻布台ヒルズ レジデンスA |
| 開業 | 2024年3月13日 |
| 客室数 | 全122室(デラックスルーム〜ジャヌスイート・全10カテゴリー) |
| ダイニング | 8つのレストラン&バー |
| ウェルネス | ジャヌ ウェルネス(約4,000㎡・プール・スパハウス・ジム等) |
| チェックイン/チェックアウト | 15:00 / 12:00(プランにより異なる場合があります) |
※館内施設・客室・ダイニング等の情報は、ホテル公式サイトおよび公式発表に基づきます(2026年8月時点)。料金・営業時間・イベント開催日程は変更となる場合があるため、最新情報は公式サイトをご確認ください。


